表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/9

神様とおしまい

―9―《神様とおしまい》


あなたは布団の中で目を覚ます。

いつの間にか部屋に明かりが点り、視界には神がいた。


「おはよう人の子よ。今日は大切なお知らせがあります」


あなたは身体を起こして、彼女の言葉を聞くだろう。


「あなたは地上に戻れることになりました。嬉しいですか? 」


嬉しい

→1

嬉しくない

→2


※1


「そうですか……そうですよね」


神は自分を納得させるように何度もあなたの言葉に頷いた。それから、しっかりとあなたの目を見つめて、こちらへと手を伸ばす。


「行きましょう。地上に降りるのです」


あなたは彼女の手を取って、前と同じように急に現れた扉の先へと踏み出した。


そこは、ひどい世界。


荒れ果てた街、畑、山、とにかくなんでも壊れている。景色に目を奪われているあなたに、神は手を離して言った。


「3度目の戦争がありました。とても悲しい結末でした」


この地上には、もう生きているものはいない。本当に誰もいない場所になっている。


神はあなたに聞いた。


「ここに、残りますか? 」


残る

→3

残らない

→4


※2


「どうして、ですか? 」


あなたは理由を説明した。神は何度も頷きながらその話を聞く。


「なるほど、そういう理由ですか」


彼女は笑って言った。


「なら、ずっとここにいませんか? いつまでも、ずっと」


いる

→4

いない

→1


※3


「……ええ、それがいいでしょう」


神は少し悲しげにそう言葉を繋ぐ。


「私はあなたの大切な人との時間を奪いました。もう、取り返すこともできません。だから……」


「だから、あなたはこれから、大切な人の側にいるべきなのです」


神は現れた扉から去り、居なくなった。

ここにはあなただけだ。

あなたが何を思っているのかは私には分からない。でも、ここであなたの物語はおしまい。抵抗もなにも、もう無意味なのだから。


※4


「いいの、ですか? 」


神は心底驚いたという様子であなたに尋ねる。あなたの答えは決まっていた。


「……ありがとう」


涙目の彼女の事を怒るのは少し無粋だろう。あなたは彼女の側に寄って、笑顔を傾けた。彼女は言う。


「……私、言い忘れていたことがありました。あなたを選んだ理由です」


「私は聞いていました。あなたが人を想って掛けた言葉、それから、希望を叶えられなかったときの嘆きの言葉」


「私は見ていました。誰かを想って笑うあなたを、誰かのために怒るあなたを」


「だから私は、あなたを選んだのです」


――狭間を越える、人間として


あなたは神とともに歩むだろう。これから、楽しいことも、面倒なこともあるかもしれない。でも、最後にはきっと幸福なはずだ。今はそう信じて生きることを選んだ。



《おしまい》

お付き合いお疲れさまでした。

短い作品ですが、この作品があなたのストレス解消にもなっていれば幸いです。

それでは、またどこかでお会いしましょう。

あなたにかけがえのない今がありますように。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ