表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/9

神様と退屈

分岐が多いので全体は長いです。

1ルートは割りと短め、かも?

 あなたは延々と体感1時間ほど、神とトランプをしていた。そしてあなたが最後のカードを置いてゲームが終わるというところで突然、神が立ち上がって言う。


「飽きました。別の事をしましょう」


神様の暇潰し

~6日目 神様と退屈~


あなたは無意識の内に、座ったまま神の顔を見上げた。


「―――――? 」


神は鼻を鳴らして腰に手を当てる。


「私は退屈が嫌いなのです。だからずっと楽しいことをしていたい。あなたもそうでしょう? 」


《そうだ》

→1

《違う》

→2


※1


あなたの答えを聞いた神は納得するように何度も頷く。


「そう答えてくれると思っていました。期待通りです」


そして、こう提案した。


「今日はあなたの希望を聞きましょう。なんでもいいですよ? なにせ私は神ですからね! 」


《室内遊びをする》

→3

《運動をする》

→4


※2


「違う、のですか? 」


神様は首をかしげた。

予期しない返答だったらしい。

あなたは神様の再びの質問に頷いた。


「じゃあ部屋で退屈してたいのですか? 」


《してたい》

→12

《してたくない》

→1


※3


「室内の遊び……ですか。カードゲームは飽きましたし、そうですね。神生ゲームでもしましょう」


神は地面に床収納のような扉を出現させて、中から人生ゲームもどきを取り出す。貴方には人型の駒とサイコロが渡された。


「ルールは簡単です。サイコロを振って出た目の数だけ進む。止まった駒のイベントが起こる。それだけです。さぁ、やってみて下さい」


あなたはスタートに駒を置いてサイコロを振る。結果は3。貴方は3マス分駒を動かそうとボードに手を伸ばした。しかし、駒が勝手に動き出したので、掴むのを止めた。神はあなたの駒が止まった場所の文字を読み上げる。


「ええと、『一攫千金大金持ち、一千万円GET! 』? 」


すると何処からかあなたの手元に大量のお金が落ちてきた。思ったよりリアルなイベントが起こるらしい。次は神の番。

神は息を吸って吐いて、気合いを入れてからサイコロを投げる。


「あ」


サイコロの上面は1と書かれていた。

神の駒は1マス進む。止まったマスの文章を貴方は青い顔で神に促され読み上げた。


「―――――」


内容は『貴方は天使に裏切られ、審判から罰を受けました』というもの。あなたが読み上げると神の頭上から雷が落ちる。神は真っ黒な灰まみれになって咳き込んだ。


「けほっ! なんてこと! 」


流石はゲーム。どうやら死ぬようなものはマイルドにされるようである。次はあなたの番。サイコロは6を出した。


「ええと? 『倍増チャンス! 今の持ち金全てを賭けてギャンブルする? 』」


あなたの目の前には2つのボタン。


《挑戦する》

→5

《挑戦しない》

→6


※4


あなたの答えを聞いて、神様はくるりと一回転、服装をジャージに変える。


「私も丁度運動がしたかったところなんです。あなたとは気が合いますね! 」


気がつけばあなたの服装もジャージに変わっていた。


「二人ですから大がかりなスポーツはできません。私と鬼ごっこをしましょう 」


あなたは鬼になることもできるし、逃げることも出来る。どうしようか?


《追いかける》

→7

《逃げる》

→8


※5


どうせこれはゲーム。

あなたは賭けに挑むことにした。


「ちょっ! 挑戦するのですか!? 」


神は慌てふためいている。

あなたは不信に思うだろうがもう後戻りはできない。願いをこめてサイコロを振った。4以上が出れば倍額だ!


コロコロコロ……。


上面は5! 5だ!

あなたの一千万円は2倍の二千万円になった!

神はそれを見て偉く安堵する。


「よ、良かった……」


一体どうしてこんなに冷や汗をかいているのか、あなたにはまるで分からない。


その後も、あなたはフィーバー状態で神生ゲームを楽しんだ。


※6


「よ、良かった! 」


神はあなたの答えを見て酷く安堵する。もしかしたら、賭けにはゲーム内通貨の喪失の他に何かリスクが伴うのかもしれない。今度は神がサイコロを振った。


「読んで下さい! 」


今度はいい結果だったらしい。

あなたは神様のマスの言葉を読み上げる。


「―――――」


内容は『大切な人と大切な時間を過ごします』というもの。特に獲得もなにも無いようだが、神はとても嬉しそうだ。


「さぁ、あなたの番ですよ」


あなたはその笑顔を見ながら、またサイコロを手にするだろう。


その後もちょっとしたハプニングには見舞われたが、神様とのゲームはそれなりに楽しかった。


※7


あなたは自分から鬼を買って出て、神様を追いかけることにした。


「あなたなんかに捕まりませんよ! 」


神様は上機嫌に貴方を挑発してくる。

貴方はそんな神様を追いかけた。景色はいつの間にか懐かしい公園のものになっている。


「悔しかったらここまでおいで! 」


それをあなたが気がついたとき、こちらを向いたまま走っていた神は盛大に転んだ。


《心配する》

→9

《馬鹿にする》

→10


※8


あなたは一目散に逃げ出した。


「あ、ちょっと! 」


神様はそんな貴方を慌てて追いかける。

景色はいつの間にか、懐かしい公園に変わっている。


「ずるいですよ! 」


あなたは神様の手をすり抜けて、上手に逃げ回った。その度に神様は悔しそうな声を上げる。


「―――――? 」


神様は躍起になって貴方を追いかけた。

追いかけて、盛大に転んだ。


《心配する》

→9

《馬鹿にする》

→10


※9


あなたは心配して神に駆け寄った。


「―――――? 」


神様は目に涙を浮かべながら、頷く。


「はい、大丈夫です……。ありがとう」


その顔は僅かに赤面していて、この状況を悔しがっているのかもしれない。

あなたはそんな神様に笑いかけた。


《あなたの勝ちだ》

→11

《あなたの敗けだ》

→10


※10


あなたは神様を笑った。


「なっ! なにを笑っているのですか! 」


神様は泣き顔であなたに怒鳴る。

だが、あなたは更に神をからかって見せた。


「―――――! 」


「なっ! 」


神様は涙を拭いて貴方を追いかけてくる。貴方は神様から逃げ出した。


「まっ! 待ちなさい! 人間め! 」


そしてそのまま鬼ごっこが始まる。

長い長いゲーム。

それははじめは泣きっ面のゲームだったはずだが、


「捕まえたっ! 」


この声が響き、鬼ごっこが終わる頃には神様も貴方も笑っていた。


「……ありがとう」


神様は聞こえるか聞こえないかの小さな声で貴方に言った。


「―――――」


「なっ! 別に私はなにも! 」


今日もどうやら平和に終わるだろう。


※11


「え? 」


神様は目を見開いた。

貴方は同じ言葉をもう一度言う。


「……私の、勝ち? 」


神様は瞬きを繰り返していたが、不意に立ち上がって偉そうなポーズをとった。


「そうですね! 私が負けるはずがありません! 」


その顔には早速笑顔が戻っている。

あなたは神様に拍手を捧げた。


「人の子よ! 私は今、とても楽しい気分です! あなたに景品をあげましょう! 」


神様は貴方に貴方の好きなアイスを差し出す。


「ささ、遠慮なさらずに! 」


別段食べたい気分でも無かったが、殆ど無理やり差し出され、貴方は口をつける。すると、食べている貴方の横に、神様は座った。


「もう一戦やりますよ! 」


今日はまだまだ、この機嫌の良い神様に振り回されそうだ。あなたは覚悟しながら、最後の一口を齧った。


※12


「そうですか、ならばしかたありませんね。今日はこれでおしまいです」


神様は少し残念そうに息を吐いた。

貴方は神を残して部屋に去るだろう。


「ではまた明日」


神様はその日、貴方の元を訪ねては来なかった。だから、ゆっくりと眠ることができるだろう。



※つづく※

神様と仲良くなれましたか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ