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世界がゲーム仕様になりました  作者: 矢崎未峻
34/71

vs赤毛の熊③

3話目です!

 勝機が見えた。

 恐らく身体の成長に肺活量が付いていかなかったのだろう。

 いや、そうでなくてもあの巨躯をあの速さで動かそうと思えばかなりのエネルギーが必要なはずだ。

 加えて目と鼻を俺たちが潰して神経もすり減る状況。


「息切れしないはずがないよな。雅人、今度は受け切れるな?」


「ああ、火事場の馬鹿力でも出されない限り受け切れる」


「無理だと思ったら避けろよ」


「了解」


 雅人が数メートル先の熊に向かって走り出すのと同時に、右目を狙って撃つ。

 上手く当たった。これで目が復活する心配はない。


「胴体が、がら空きだぞ!熊公!」


 ちょっと調子に乗り出した雅人が、仰け反った熊の胴体に攻撃。人間なら心臓のある位置に槍を突き刺している。


「かってーな!分厚いな!」


 ふむ、あの熊の皮は硬くて分厚いのか。


「無理に急所を狙わなくて良い!少しずつ削れ!」


「おうよ!」


 少しずつって言ったじゃん!絶対聞いてなかったろ!

 息つく間もない攻撃とはこの事だろう。


「あのバカ。加耶、そろそろ頼む!」


 準備していたのだろう。指示とほぼ同時に水球が飛んでいく。

 しっかり口元に当たり、またも悶絶。

 剣が折れてなきゃ、俺も参加出来たんだがな。

 剣が折れたので、俺は魔導銃による援護しかしていない。というかそれしか出来ない。

 体術が通じる相手ではないし、魔術も使えない。

 どうするかな。まあ、俺が居なくても何とかなりそうな雰囲気はあるんだよなぁ。

 けど安全に越したことはないし。


「よし、耳潰しに行くか」


 具体的な策は無い。

 ただ、雅人が正面から攻撃してるから背中はフリーだろう。

 奴が万全な状態の時も背中は登れたから同じ要領で登るか。

 耳を潰すくらいなら刀身が半分しかないこの剣でも出来るだろう。


 少し遠回りをしながら背中側に回り、魔力操作による擬似強化が継続出来てるか確認しながら、ダッシュ。

 手前1メートルでジャンプして奴の背中に飛び乗り、勢いを殺さないよう駆け上る。

 耳が見えた所で魔導銃で左耳をまず潰す。痛みで仰け反ったため、傾斜がキツくなるが、銃をしまい空いた左手で熊の毛を掴んで落ちるのを阻止する。

 ギリギリ耳に剣が届く所まで行けたので剣を鞘から抜き


〈スラッシュ〉


 剣が折れているのでちゃんと発動してくれるか心配だったが、発動してくれた。

 おかげで力の入らない状態で切ったにもかかわらず耳はしっかり切り取る事が出来た。

 左手を離して熊から降り、距離を取る前にもう一度〈スラッシュ〉で右脚を切り裂いておく。


「これで、頼れる感覚はもう無いよな?」


 息はまだ荒い。雅人の位置も掴めなくなってる。

 闇雲に攻撃もしてこない。

 チャンスか?いや、


「念には念を、だ」


 魔導銃で空いている口に魔力弾を撃ち込む。2発、3発、4発、5発。


「悠、容赦無いな」


「用心するに越したことはないだろ?」


 これで奴は自分の血でさらに息がし辛くなったはずだ。

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