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世界がゲーム仕様になりました  作者: 矢崎未峻
25/71

昔話

2話目です!

「あ、話す前にみんなも呼んでいいですか?まだ話してないんで」


「いいわよー。呼んでくるわね」


 湊さんが部屋から出て3人を呼びに行った。と、思ったら戻ってきた。

 早いな!?あ、うん。盗み聞きしてたのね。


「わざわざ呼ぶ必要なかったかな?」


「みたいですね」


 揃ったな。じゃあ、始めようか。昔話を。


「俺には、家族がいません。死にました」


「お、おい。悠」


 目で大丈夫だと訴えかける。

 言葉を飲み込んでくれた。


「父は、俺が5歳の時に事故で死にました。父が死んだ直後、あいつは再婚しました。再婚は地獄の始まりの合図でした。再婚相手とあいつの虐待を、俺と妹は受け続けました。俺は当時まだ3歳だった妹を必死で庇いました。再婚相手はそれが気に入らなかったらしく、虐待はエスカレートします。虐待は何年も続きましたが、俺が中3の頃さらに酷くなりました。連日倒れて気絶するまで殴られ、朝まで目が覚めない。そんな日が続いていました。ある日の朝、妹は自殺しました。偶然忘れ物をしていて取りに家に帰った時、首を吊って死ぬ直前の妹に出くわしました。俺を見た妹は『ごめんね、ありがとう』。最後にそれだけ絞り出して、目の前で死にました。もちろんすぐに降ろして心肺蘇生をしました。でも、効果は無かった。冷たくなっていく妹を抱えていたら奴らが帰ってきて、バレないように妹を、埋めました」


 あ、ダメかも。

 そう思ったが最後。涙が溢れて止まらなくなる。何をどう言い聞かせても、止まらない。


「悠。もういい。後はオレが「ダメだ!俺が、話す」・・・」


 落ち着け、落ち着け!さっき散々泣いただろ!ひと通り思い出した直後だろ!?大丈夫だ。あれは、もう過去のことだ。


「俺は、その日。父の死の原因を、初めて疑いました。当然のように、その日も殴られました。ただし、その日は気絶したフリをしました。俺が気絶したと思い込んでる奴らは、本性を見せました。父は、事故死じゃなく、奴らに殺害されていたんです。翌日、近所に住んでいた四谷家に駆け込んで、相談を持ちかけました。快く協力してくれて、俺はその日の夜、久し振りに奴らに反抗しました。予想通りベラベラ真実を話してくれたので、録音して、四谷家に渡して壊されないようにする。そのまま奴らが家から出ないか見張ってもらい、俺は警察へ。証拠はあったので即逮捕状が出ましたが、逃げられました。今どこでどうしてるのかは知りません」


 乗り、切った。まだ話せてない事もあるが、これでほぼ全てだ。


「そんな人生だったので、愛情ってものが分かりません。でも、ここに居る人達はいい人で、白亜家のみなさんはいい家族だと思います」


「確認させてもらうよ。あいつというのは君の母親で間違いないかい?」


「俺を産み落とした人を母親と呼ぶのであれば、間違いないです」


「そうか。君は天涯孤独なんだね。今まで大変だったろう」


「・・・っ!」


 今、天涯孤独って、言った?この人は、俺を泣かす気か?


「ありがとう、ございます」


「お礼の意味が分からないな。それより、さっきは疑ってすまなかった」


 頭を下げられた。わざわざ立ち上がって、深々と頭を下げるって。

 この人は、どこまで・・・


「頭を上げてください!あんな言葉、疑って当然なんですから!」


「私からも、ごめんね。本当に」


 え!湊さんまで!?


「や、やめてください!ほんとに!」


 白亜と加耶は泣いてるし!あれ!?雅人も泣いてない!?

 ちょ、おい。カオスかよ・・・。

 それから元に戻るまでかなりの時間を要した事は、言うまでもないだろう。

感想や評価お待ちしてます!

意見もどんどんお願いします!


ちなみに僕は物語を書くとき、その場の思いつきで書いていくのですが、この『昔話』に関してはこの物語を書き始める前から書くと決めていた話です。

なので楽しんでいただけたら嬉しいです。

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