最後は、
遅くなったけど3話目です!
よし、あらかた片付いたな。とは言っても、元々物は少ないんだけどな。
そろそろ来るかな?ていうか本当に来るかな?まずそこだよな。
「悠〜、居るか〜?」
「はいはい、居るよ」
「来てやったぞ」
「おう、さすが親友。一瞬で俺の考えが分かったみたいだな」
「何年の付き合いだと思ってんだよ?」
「そうだな」
うーん、何か言いたそうだな。後ろの2人は。
俺から聞く?いやいや、そんな自殺行為できませんよ。
「さて、一応確認するけど一緒に行動するつもりだよな?」
「黒鉄君は本当に怒られたいのかな?」
いやいや、来た時から怒ってるじゃん!絶対口には出さないけど。
「まさか。一応って言っただろ?」
何はともあれ一緒に行くことに変わりがないみたいで良かった。
これで違うって言われたら俺死んじゃう。
「で、俺の用はあとちょっとで終わるんだけど次は誰の家が近い?」
「あ、私だよ。ここの南棟に家族と住んでるから」
おおう、マジか。まさかの同じ敷地内に住んでたとは。
「じゃあ白亜の家に決定だな。にしてもよく今まで遭遇しなかったな」
「し・て・た!何度も会ってるよ!」
本気で気付いてなかった。ま、まあ過ぎたことは忘れるとしよう。
とにかく、同じ敷地内なのは都合がいいな。先に行っててもらおう。
「お、俺は自分の用を済ませてから行くから、先に行っててくれよ。あ、部屋番号は教えてくれよ?」
「・・・やだ」「は?今なんて?」
「一緒に行くの。別々はダメ」
「何でだよ?危険があるわけでもないし、俺もちゃんと後から行くから問題ないだろ?」
「やだ」
駄々っ子か!いや、うん可愛いんだけどね。白亜がやると。
困ったな。最後に回したのがダメだったか。でも、これに限っては一人でゆっくりやりたいし。
やっぱもっと早くやっとくべきだったな。どうするか・・・。頭下げるか。
「頼む、先に行っててくれ」
「悠、お前後回しにしたな?」
「あー、うん。悪い。お前らが来るまでにやっとくべきだった」
「あー!いいいい!これに関してはしゃーない。2人は無理矢理でも連れてくから、ゆっくりやんな」
「なんか、今日は迷惑ばっかかけてごめんな雅人。ありがとう」
格好つけたつもりか、こちらに背中を向けてから手を振って出て行った。
なんだよちくしょう。カッケーな。
「部屋、502だから。来なかったら怒るから」
「分かった。ちゃんと行く」
さて、最後に残したのは遺品だ。選別はしない。全部持って行くから。
それでも、最後に残した理由は、泣いてしまうから。
無力感に苛まれて、身動きが取れなくなるから。
思い出してしまうから。
これでも、昔よりはだいぶマシになったほうだ。当初は酷かったからな。
1つずつ手に取り、アイテムボックスに納めて行く。
遺品を手に取る度に涙が溢れて、色々なものがフラッシュバックする。
1番多いのは、あいつが首を吊って死んでるシーンなんだよな。
5分もしないうちに遺品は片付いたが、今度は心が散らかった。
「こりゃ整理には、しばらくかかるな。あいつに、怒られなきゃいいけど」
あいつと言って脳裏に浮かんだのは、2人の顔だった。
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