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世界がゲーム仕様になりました  作者: 矢崎未峻
23/71

最後は、

遅くなったけど3話目です!

 よし、あらかた片付いたな。とは言っても、元々物は少ないんだけどな。

 そろそろ来るかな?ていうか本当に来るかな?まずそこだよな。


「悠〜、居るか〜?」


「はいはい、居るよ」


「来てやったぞ」


「おう、さすが親友。一瞬で俺の考えが分かったみたいだな」


「何年の付き合いだと思ってんだよ?」


「そうだな」


 うーん、何か言いたそうだな。後ろの2人は。

 俺から聞く?いやいや、そんな自殺行為できませんよ。


「さて、一応確認するけど一緒に行動するつもりだよな?」


「黒鉄君は本当に怒られたいのかな?」


 いやいや、来た時から怒ってるじゃん!絶対口には出さないけど。


「まさか。一応って言っただろ?」


 何はともあれ一緒に行くことに変わりがないみたいで良かった。

 これで違うって言われたら俺死んじゃう。


「で、俺の用はあとちょっとで終わるんだけど次は誰の家が近い?」


「あ、私だよ。ここの南棟に家族と住んでるから」


 おおう、マジか。まさかの同じ敷地内に住んでたとは。


「じゃあ白亜の家に決定だな。にしてもよく今まで遭遇しなかったな」


「し・て・た!何度も会ってるよ!」


 本気で気付いてなかった。ま、まあ過ぎたことは忘れるとしよう。

 とにかく、同じ敷地内なのは都合がいいな。先に行っててもらおう。


「お、俺は自分の用を済ませてから行くから、先に行っててくれよ。あ、部屋番号は教えてくれよ?」


「・・・やだ」「は?今なんて?」


「一緒に行くの。別々はダメ」


「何でだよ?危険があるわけでもないし、俺もちゃんと後から行くから問題ないだろ?」


「やだ」


 駄々っ子か!いや、うん可愛いんだけどね。白亜がやると。

 困ったな。最後に回したのがダメだったか。でも、これに限っては一人でゆっくりやりたいし。

 やっぱもっと早くやっとくべきだったな。どうするか・・・。頭下げるか。


「頼む、先に行っててくれ」


「悠、お前後回しにしたな?」


「あー、うん。悪い。お前らが来るまでにやっとくべきだった」


「あー!いいいい!これに関してはしゃーない。2人は無理矢理でも連れてくから、ゆっくりやんな」


「なんか、今日は迷惑ばっかかけてごめんな雅人。ありがとう」


 格好つけたつもりか、こちらに背中を向けてから手を振って出て行った。

 なんだよちくしょう。カッケーな。


「部屋、502だから。来なかったら怒るから」


「分かった。ちゃんと行く」


 さて、最後に残したのは遺品だ。選別はしない。全部持って行くから。

 それでも、最後に残した理由は、泣いてしまうから。

 無力感に苛まれて、身動きが取れなくなるから。

 思い出してしまうから。

 これでも、昔よりはだいぶマシになったほうだ。当初は酷かったからな。

 1つずつ手に取り、アイテムボックスに納めて行く。

 遺品を手に取る度に涙が溢れて、色々なものがフラッシュバックする。

 1番多いのは、あいつが首を吊って死んでるシーンなんだよな。

 5分もしないうちに遺品は片付いたが、今度は心が散らかった。


「こりゃ整理には、しばらくかかるな。あいつに、怒られなきゃいいけど」


 あいつと言って脳裏に浮かんだのは、2人の顔だった。

感想、評価等お待ちしてます。

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