はじまり
夕焼けの光が眩しく見える夕方過ぎ
私達は家族は五十鈴神宮の祭りに来ていた
五十鈴神宮の歴史は古く
人が生まれる前からあると言われている
辺りは森に囲まれており、森の中では
珍しい動物が暮らしている…そのせいか
国の天然記念物にされている
歴史が古い為か…ある1つの噂がある
色んな世界の扉の始まり…。
そしてその世界を支える架け橋っとなっている…っと
そんな噂を信じる者は少なく
今ではそんな話を知ってるものはいない
代わりに縁結び、学業祈願、安産祈願
その他もろもろが有名らしく
新年や新学期に始まりなると人だかりが
凄まじい。
よくテレビで取り上げられるくらいだ
「(まぁ、ご近所にあって生まれも育ちもここだし…私にとっては関係ないが、人が多いのが一番厄介…)」
杏「やっぱり、普通の祭りだとあまり人いなくていいね」
「まぁ〜、一応特別な祭りらしいけど地元の人しか知らないしね。大体」
杏「特別?これ特別な祭だったんだ」
「始まりの祭りだって…まぁ、私も昔中学の先生から聞いただけでしらんけど」
私が中学生の時に歴史の先生が
そんなのを口にしてるのを耳にしたことがある
始まりの祭り…全ての世界の扉の始まり
異世界をつなぐ架け橋…。
一年に一回時空に歪みができ
その歪みを取り払うため歌やダンスを
踊って取り払うらしいけど
そんなんで取り除けるのかある意味謎だ
母「一華、杏、ママ先に席をとってくるから…自分の好きな食べ物買って来なさい」
杏「はーーーい、ママ。そう言えば…パパは?」
杏「ママが、紫苑のジュースを車に忘れてきちゃったから…取りに行ってるの〜♡」
「……パパ可哀想に」
杏「ママ天然だからね…仕方ないよ」
この天然さに振り回された数知れず
どうして…父は母を好きになったんだろっとたまに疑問に思うが
好きにならなきゃ…私達は生まれてない
たまに喧嘩もするものの、夫婦円満で
とても仲が良く…うざいくらいラブラブだ
ママ「何か言った…?」
母が首を傾げながら不思議そうに
見つめてくる。この仕草が子供みたいってよく思う。
父はここに惚れたのかなとか?っとたまに詮索をする私も変わってると思うが
「何でもないよ…。それじゃ、行ってくるよ。あっ…紫苑の分も買う?」
母「そうねぇ…どうする?紫苑。お姉ちゃんと一緒に買いに行ってくる?」
紫苑「うんっ紫苑、おねぇちゃんと一緒に買いに行くー!」
母「それじゃ…お願い。紫苑、おねぇちゃんと一緒に行って来なさい」
紫苑「はぁーい。おねぇちゃん!紫苑も一緒に行く〜」
紫苑は嬉しそうに私に駆けよれば、手を繋ぎ妹と弟と共に母に言われた通り夕飯代わりの食べ物を買いに屋台に向かった
「(うわ…何この人だかり。絶対人酔いするなこれは…)」
杏「私は…。たこ焼きにしようかな〜」
紫苑「紫苑もたこ焼きがいい〜!」
「それじゃ、もう一人のお姉ちゃんと買ってきな?お姉ちゃんは、あっちにあるお好み焼き買って来るから」
弟「はぁ〜い、杏ねぇ行こぉ?」
妹「うん。それじゃ…お姉ちゃん行ってくるね?迷子にならないでよー?」
弟「ならないで〜よ?」
冗談半分で言いながら
クスクスと笑う杏とその言葉を
真似する紫苑…少し可愛い気もする
「ならんわ〜。てか…3つ隣しか離れてないだろ」
妹「それもそーか。んまぁ、行ってくるね〜」
弟「お姉ちゃん!またねー」
可愛らしい笑顔で私に手をふる紫苑。
紫苑の手を引きながら
杏と共に屋台へと向かって行った
「(またねー…って。また合流するのに、可愛いだから)」
その光景に笑みを浮かべながら
自分も屋台へと向かった
「(結構並んでるな…まぁ、そこまで混んでないしすぐ買えるか…)」
……どこに…いる
「……え?」
何今の…声
どこから聞こえてくるの
私はキョロキョロとあたりを見渡した
でも…祭りの賑わいの音と人だかりで
誰か呼んでいるのか分からない
……いち…か
「…っ!!」
えっ…頭の中から声がする
誰ッ!?なんで私の名前を…
…どこ…に…いるんだ
いちか……
「……」
どこかで聞き覚えのある声…だ
あそこから聞こえる…鳥居の先から
頭の中から囁いてくる…あの声は一体
私はあの声がするとこに行かなきゃ
行けない…何故なのか分からないけど
きっと後悔するから…それだけは分かる
でも…行ったら二度とこの場所には
帰れない気がして心がザワザワする
……でも行かなきゃ…
私は確かめなきゃいけない
「……ゴメンね……行ってきます」
私はその場から声がする先へ走り出した
杏「……。おねえ…ちゃん?」
紫苑「…?杏ねぇどうしたの?」
杏「んーん。何でもない!サッサッと買っておねぇちゃんとママ達のいるとこに行こうか」
杏「うん!」
おねぇちゃん…の気配がない
どこへ行ったの