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迷宮主が行く!  作者: かな
4/11

とあるギルド職員の独り言

 


「それじゃあ、また来ますね。」


 そう言って、真っ白な少女は建物を後にした。

 先ほど見たカードに間違いは無い。偽装も隠蔽も何も無かった。

 私も長い事、このヘイズのギルドで働いていたが、あんなに若い、シルバーの冒険者を見たのは初めてだ。

 この街にいる冒険者なんて、ほとんどがブロンズだ。

 シルバーの冒険者なんて、この街には3組しかいない。


「・・・なぁ、間違い無かったのか?」


「間違いなんて、無かったわよ。」


 手元に残された、移動届け。そこには以前、彼女が訪れたのであろう、各国のギルドからの申し送り、否、注意事項が、これでもかと、書き連ねられていた。


 曰く、何処そこの貴族と揉めた際、完膚無きまでにその貴族を叩きのめした、問題冒険者。

 曰く、迷宮の大氾濫スタンピードを最前線で押しとどめた、辺境の英雄。

 曰く、太古に失せた大魔術を復元させた、大魔導師。

 曰く、とある国の戦争で、敵対した軍を壊滅に追い込んだ、大虐殺者。


 突拍子が無いにも程がある。しかし、そのどのエピソードにも最後には


『とにかく彼女と敵対するような真似はするな。』


 そんな一文が書き殴られているのだ。

 一見して、優しげで、純心そのものといった少女の評価としては、物騒すぎる。


「とりあえず、ギルド長に報告して、周知徹底するしかないわよねぇ・・・」


 深々とため息をついて、私は席を離れた。

 願わくば、あの真っ白な少女が何事も無く、この街で過ごせるよう・・・何処かの馬鹿が、少女に手出しして、この街が滅びる事がなければ、と・・・



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