表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/7

追跡ゲーマー

ハアハア…………。



や、やっと追いついた…………。



「ようやく見つけたわよ。レジ野郎」



サエキアカネは、さっきの怪人に対して全く怯むことなく向き合っている。



僕は、事の顛末を建物の影から見ていることにした。



「オマエ、ダレダ。ナゼオレヲオウ」



地面に降り立ったレジスター怪人は問う。



「決まってんでしょ。アンタを倒すためよ!」



そう言うと、サエキアカネはジャージのポケットから昼間の携帯ゲーム機を取り出した。



ゲーム機?

一体何を…………?



すると、もう片方のポケットから薄水色に輝く乾電池のようなものを取り出し、ゲーム機中央部にある透明な筒の中に挿した。



“レッツ・フィニッシュ・ユア・ライフ!”



ゲーム機からガイダンスボイスが鳴ると、次はファスナーを下ろした。ジャージの中には銀色のバックルをもつ、その接続部が赤、黄、白の三色になっている黒いベルトが巻かれていた。

彼女がバックルにゲーム機を合体させると、変身待機音声が鳴り響いた。



“ショウサンッ!ゼッサンッ!ジダイノマクアケ・ワレハココニアリ!”



「さあ、ゲームの始まりよ」



そう言って、ゲーム機の左手側の持ち手を根元を軸にして外向きに動かした。



“プリンスアイデンティティー!カーテン・オープン!”

“皆ノ為ニ!私ノ為ニ!白馬ニ跨リ駆ケテ行ク!”



彼女の頭上にカーテンレールが円を描くように出現。そこからクリーム色のカーテンが下りて勢いよく回転した。

直に遠心力によってカーテンが浮き上がり、やがて消滅した。



変身を完了した彼女は、背中に剣を携え、童話に登場する王子様のような格好をしていた。

頭部には白い仮面を被っていた。



「いつでも来なさい」



「ウオオオオッ!」



彼女の挑発に乗り、レジスター怪人が向かってきた。



“オージサーベル!”



「ハッ!」



「グッ!」



彼女は再びゲーム機の左手側の持ち手を根元を軸にして外向きに動かし、剣を背中の鞘から抜いて斬りつけた。怪人は体から火花を散らし、苦しみの声をあげた。



「さあ、クライマックスよ」



「オレハタオセナイ。ナゼナラオレハ、ツヨイ!」



「そのままほざいて死に逝きなさい」



“リボース・マキシマム!プリィィィンス!”



右手側の上端に備わっているボタンを押してレバー操作を行うと、バックルのゲーム機から最大出力発揮を知らせる電子音声が鳴り響いた。

長剣「オージサーベル」でXの字を描くように斬ると、さっきまで軽口を叩いていた怪物は悲痛な叫びをあげて爆発した。



爆炎が小さくなったのを確認すると、彼女は変身を解除した。



「ただの雑魚だったわね。…………ん?」



「オレハツヨイ。ダカラマケナイ、タオセナイ!」



わずかな残炎から怪人の声が聞こえたかと思うと、その炎はどこかへと飛んで行ってしまった。



「ったく。しつこい男は女に嫌われるわよ!」



彼女はその炎を追って駆けて行った。



…………ま、また移動?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ