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検定編4

場所は部屋に向かうエレベーターを降りたところ。

クーデリアはエレベーターを降りたとこにいた。

「生徒会長…」

「本日はお疲れ様でした。」

クーデリアは敬意を込めた礼をした。

祐が疑わしげな目をすると首を少し傾けてクーデリアが話し始めた。

「私に聞きたいことがたくさんあるでしょう。すべてではありませんが話せることを話します。祐くんの部屋にお邪魔してもよろしいでしょうか。」

あとあと冷静に考えると部屋には権堂もいて、女子しかも注意するよう言われた生徒会長マリー・クーデリアを部屋に連れていくなんて危険な行為だったのかもしれない。

しかし祐はうなずき、クーデリアを部屋へと連れて行った。

幸いなことに権堂は部屋に居なかった。

祐はクーデリアに椅子をすすめ、自分はベッドに腰かけた。

「さて、どこからお話いたしましょうか。」

「じゃあ、まず君の正体から頼もうかな。」

「わかりました。私の名前はマリー・クーデリアです。しかしこれは表の名でしかありません。裏の名前は斎野宮真理さいのみやまり。あなたのお母さま藤谷恵梨様。旧姓、西城恵梨様のお家、西城家に仕える一族の者です。」

祐は大きく驚いていた。西城という名は魔道を学ぶものには東峰と同様かそれ以上の意味を持つ。東峰が温厚で魔道を広めようとするのに対し、西城は魔道の根幹を探すための研究に力を注ぐ、そして研究のためなら手段を択ばないというものだ。その名前が出てきただけでも驚きなのに、自分の母親がそこの人間だというのだ。結婚して苗字が変わったからといって戸籍は消せない。母親がなぜ若くして巨大企業の重役になれたのか気になった祐は一度母親のことを徹底的に調べたことがあった。しかし、西城という名は一度も出てこなかった。

「…それで、西城に仕えるあなたがなぜ俺のところに?」

「恵梨様からのご命令でした。祐様の力が何者かに知れ渡り、狙われていると。」

祐はこれ以上驚いていると話が進まないと判断し、表情を押し殺してクーデリアに目で続きを促した。

「そのため、私は祐様を危険から守るために行動を開始しました。テロリストの際も後ろより監視しておりました。」

祐はこの監視にほとんど気づいていなかった。それを考えても相当な腕だ。

「そして、この検定直前に恵梨様からその光剣『Suction』をお預かりしました。」

「母は何を考えているんですか?」

「それは私にはわかりません。私は命令を遂行するのみです。」

「ここで招待を明かすのも母の命令?」

「…いえ、これは私の独断です。」

この回答は考えた通りだった。護衛対象に途中から正体を明かすというのは対象に無駄な混乱を与える。

「それで、これからはどうするんですか?」

「まだ祐様の護衛の任は解かれていません。なので護衛を続行いたします。」

祐は正直言うと遠慮したかったが、母親はともかく祐は西城家になど行ったこともない。そんなやつが命令したところでクーデリアが聞くはずもなかった。

「それで、この剣は俺のものでいいのか?それとも母に返すべきなのか?」

「恵梨様からは祐様が力をコントロールできるようならお渡しになっていいとおっしゃいましたので、その剣は祐様のものです。」

「そうですか。」

「ただ…」

部屋出ていこうとした祐に今までとは違う声色が聞こえた。

「ただ?」

「その剣からは何か得体のしれないものを感じます。」

それはおそらく祐の魔力だろう。

「祐様、十分お気を付けください。敵の狙いはあなたです。」

「敵?それは第五学校のことですか?」

「そうとも言えます。しかし本体はその後ろです。」

「本体…その正体はわかっているのですか?」

「いえ、西城家の力をもってしても不明です。」

「わかりました…」

厳しい顔をしていた祐が急に穏やかな顔になった。

「それと、祐様はやめてくれませんか?生徒会長さんからそうよばれているとなんかむずがゆくて。あと敬語もいらないです。」

クーデリアは目を見開いて驚いていたが、すぐに目を閉じてクスッと笑った。

「わかりました。今まで通りの話し方で行きますね、祐くん。」

そういうとクーデリアは部屋を後にした。

そういえばクーデリアは祐と名前で呼んでいただろうか…


読んでいただいてありがとうございました。

今回はこのあと10時ごろに検定編5を投稿します。良ければそちらもご覧ください。


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