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天界来訪編16

そして次の日。

ラグエルと愛花の一件があって祐は大事なことをすっかり忘れ、昼休みをほとんど人のいない校庭で寝転がっていた。

昨日の一件のおかげで祐は精神、肉体ともに疲労がたまり午前中は授業がほとんど頭に入ってこなかった――まぁ、天法はもともと理解が追いついていないのだが。

風の音だけが響く中、祐が目を瞑っているとサクサクと草を踏みながら近づいてくる人がいた。

「やっと見つけた。」

「ん?」

祐が音のする方を見るとそこにはクリスティナが疲れた顔をして祐を見下ろしていた。

祐にはクリスティナに探される件に心当たりがない、(実際は忘れているだけなのだが)

ので不思議そうにクリスティナを見るだけだ。

「…まさか忘れてるの?」

祐は少し考えた。

そしてクリスティナの呆れた表情がピークに達する寸前に気が付いた。

「あ…ソウルの登録…」

「…やっと思い出したのね。」

いや、クリスティナの呆れ度合いはすでに頂点だったようだ。

「早くいきましょ。」

クリスティナはため息をつくと振り返って歩き出した。

祐も遅れないようについていく。

しばらく歩くと祐が学園内で一度も行ったことのない方にクリスティナが向かって行った。

「ソウルの登録って学園で出来るのか?」

「ええ、もうすぐ着くわ。」

そこから数分もしないで祐たちは一つの扉の前に着いた。上には登録科と書いてある。

クリスティナはそこに普通に入っていった。

祐もそれに続いてはいると、中には数名の生徒がカウンターで何か手続きをしているようだった。

「ここはソウルの登録以外にもいろいろな手続きで使うから覚えておいた方がいいわよ。」

そう言ってクリスティナは生徒が誰もいないカウンターに向かって行った。

「こっちよ。」

祐はクリスティナの方に向かって行き、そこでソウルの登録を済ませた。

それから教室に戻ったところで昼休みは終わってしまい、また授業が始まった。

そして今は放課後。

「ほんとごめん…」

祐は教室から出る前にクリスティナに頭を下げていた。

「…」

クリスティナは黙ったままだった。

「そりゃ怒るよな…俺のためにやってくれてたのにその本人が忘れてるんだからな…」

祐はもう一度深く頭を下げた。

「…はぁ。」

クリスティナがため息をつく。

「もういいわよ。」

クリスティナが振り返る。その顔は怒っているというよりも苦笑だった。

「どうせ昨日あの後なにかあったんでしょ?」

「あ、あぁ…」

祐は昨日の一件を大まかにクリスティナに伝えた。

クリスティナは色々疑問に思ったこともあったようだがとりあえずは聞いていてくれた。

そして祐が全てを話し終えると、

「…それは大変だったわね。」

クリスティナは祐に同情の眼差しを向けていた。

「いくつか質問してもいい?」

「あぁ。」

「まず、そのラグエルっていうのはあなたのそのソウルに宿っている天使の事なのよね?」

「あぁ、そうだな。まぁ信じるのも難しいだろうが…ラグエル出て来られるか?」

祐は腰に付けていた剣に声をかけた。

すると剣から、

「ええ、今出ますね。」

剣が光りだし、祐の横にラグエルが現れた。

「…」

クリスティナは瞬きを繰り返していた。

状況の理解が出来ていないようだった――無理もない話だが。

「初めまして。ラグエルと申します。」

ラグエルがふわりと頭を下げた。

「ご丁寧にどうも…」

クリスティナはまだ理解し切れていない様子だ。

「こいつが俺のソウル、ラグエルだ。詳しいことは俺も知らないがな。」

「なるほどね…そしてその娘を見た愛花ちゃんが暴れたと。無理もないわね…」

「まぁ、あれは仕方ない…愛花の性格を忘れていた俺に問題があった…」

「本当に申し訳ありません…」

ラグエルが深々と頭を下げた。

「いや、ラグエルは悪くないよ。」

祐がラグエルの方を見て慰めるように言う。その姿は至って普通の人間同士の会話に見えた。

「…天使っていうからもっと上から見てるのかと思ったんだけど普通の人と変わらないのね。」

「ええ、今は天使と言われていますけど元は人ですから。」

確かにラグエルのしぐさなどは人間のそれと変わりない。

「まぁあなたがついているっていうなら西城君は大丈夫ね。」

「ソウルの扱いなどは任せてください。」

どうやら2人も仲良くはなれそうだった。

「さて、帰るとしようか。」

祐の一声で3人は帰路についた。


お、お待たせしました…


やっと更新できました…


これから更新速度が落ちそうですがご勘弁ください…

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