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天界来訪編14

「あなたはルシファーとの戦いを恐れていないのですか?」

「恐れていないと言ったらうそになる。だがそれは未来の話だ。今はこの天界から魔界に戻ることを考えないとな。」

「なるほど、その通りですね。

どうやらあなたの同居の方が帰ってきたようです。私はこれで。」

「あぁ。最後に一ついいか?」

「なんでしょう。」

「ラグエル、君はこれからも俺に力を貸してくれるのか?」

「はい。しばらくあなたの力になるとともにお世話になります。」

「そうか。わかった。今日はありがとう。」

「はい。では。」

そう言ってラグエルは姿を消した。

「しばらく…か。」

祐はラグエル以外にも力を手にれる必要を感じた。

「兄さん?どうかしました?」

祐が窓の方を見て笑っていたのを見て不思議に思ったのか、帰ってきた愛花が祐に尋ねた。

「愛花か。お帰り。何でもないよ。」

「ただいまです。そうですか。何かあったら相談してくださいね。」

「あぁ、わかった。」

愛花はそれ以上何も聞いてこなかった。

昔から愛花は相手に深く尋ねようとしないがそれとなく悟っていた。今もなにか感じたのだろう。

愛花は何もなかったように自分のベッドに腰かけて一度伸びをした。

(あ、そうだ。)

祐はラグエルが言っていた七大天使についてをきくことを思い出した。

「アリシア。」

「はい。なんですか?」

祐も椅子からベッドに座り直すとアリシアに問いかけた。

「七大天使ってなんなんだ?」

「七大天使…ですか。」

愛花は驚いたようで瞬きを繰り返していた。

「兄さんが七大天使のことを知っているとは思いませんでした…」

「いや、中身は知らないんだけどな。」

祐は苦笑いしながら答えた。

「そうですか、

 七大天使とはウリエル、ミカエル、ラファエル、ガブリエル、ラグエル、ゼラキエル、レミエルの七人の天使のことです。全員第一次魔天対戦のときに活躍した天使でウリエルはその中でも天界の先頭に立って戦ったと言われています。彼らが使った武器がモチーフや変化したものが戦天使ヴァルキリーソウルと言われるようになり、今使われています。全員今はなにかのソウルに宿っていると言われてますが、実際にそれを見たという記録はどこにもないので誰かの想像だと言われています。」

「なるほど、ありがとう。」

「いえ、こんなことで良ければいつでも。」

愛花は笑って自分の机に向かった。

そして机に座って自分のソウルである、青い宝石のペンダントを見ると、

「あ、兄さん。」

愛花は机から振り返って祐をみた。

「うん?どうした?」

祐も机に行こうとしていたが呼ばれて振り返った。

「そういえば兄さんのソウルがどうとかいう話を聞いたのですが。」

「あぁ…」

祐は自分の机に向かうと自分のソウルである剣を持ち愛花の前に行った。

「これが今日手に入れたソウルだよ。」

差し出された剣を不思議そうに愛花は受け取った。

「これが…ソウルですか。」

愛花は物珍しそうに剣を見ている。

ソウルは基本的にアクセサリー形式が多いので剣である祐のソウルは珍しいのだろう。

「これはヴァルキリーソウルですか?」

「うーん、たぶんそれだろうな。」

「たぶん?」

「よくわからないんだよ。説明受けて勝ったわけじゃないから…」

祐は苦笑しながら言葉を返す。

祐の言葉を聞いて愛花の顔が驚きに包まれた。

「…兄さんはよくわからないソウルを受け取ったってことですか?」

「受け取っただけじゃなく使ったけどな。」

愛花は絶句した。そしてその顔は徐々にあきれ顔になっていった。

「兄さん、少しは危険を顧みるという気持ちはないんですか?」

「ないことはないぞ。だがあの時はそれどころじゃなかったからな。」

愛花は言葉を失い、少ししてから大きくため息をついた。

そして剣を祐に返すと、

「兄さんのその性格は変わらないどころかさらに進んでいたんですね…」

「どういうことだ?」

祐は愛花の言葉に疑問を覚えて首をかしげる。

「…いえ、兄さんは兄さんのままだということです。」

「まぁ俺は俺だからな。」

愛花が苦笑気味に笑うと、それにつられたかのように祐の背後から声が聞こえてきた。

「え?」

「どうした?」

愛花が辺りを見回したのを見て祐がそれを尋ねる。

「なんだか女の人の声が聞こえた気がして…」

愛花はまだ周りを見回している。

だがこの部屋には祐と愛花以外に誰もいない。

いや、1人いた。人ではないがいる。

「まさか…」


大変遅くなりました。14話目です。

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