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天界来訪編9

次の日の朝。

この寮は朝7時から8時の間に朝食を取るということになっているので祐は6時半ほどに起床した。それで間に合うはずだった。この部屋が祐一人だった、いやそうでなくても相部屋が男だったなら。

だが実際に祐と相部屋なのは従妹の愛花である。

その結果、ベッドから起きた祐の眼前に現れたのは…

愛花だった。しかも肌色の面積がかなり広い。着替えていたためだろう、愛花は下着姿だった。

「…!」

愛花は驚いて固まってしまった。

「…」

祐も驚いて動けていない。

そしてみるみる愛花の顔が赤く染まっていく。

「きゃあ!!」

愛花の悲鳴で我に返った祐は、血相を変えて部屋を出て行った。

そして部屋を出ると扉の前でへたり込んだ。

「はぁ…まさか、着替えているなんて…」

「もしかして、愛花の着替え覗いちゃったんですか?」

祐が言葉のする方を見ると、目の前にアリアがまた悪い笑みを浮かべて立っていた。

「君は…たしか、アリアちゃんだっけ。」

「はい、アリアですよ。それで覗いたんですか?」

「いや、その…」

祐は言葉に詰まる。するとアリアは顔を近づけて、

「覗いちゃったんですか?」

もう祐が愛花の着替えを覗いてしまったことはわかっているだろうに何度も聞いてる。アリアはかなり…アレのようだ。

すると後ろから、

「アリアちゃん。」

鋭い声が響いた。

現れたのはケアリーだった。

その顔はすでに昨日と同じものになっている。その顔を見た祐は

(…アレに睨まれたら男の俺でも委縮しそうだな…)

「お兄さん、大丈夫ですか?」

アリアから向き直ったケアリーは打って変わってやさしい顔で祐に問いかけた。

「あ、あぁ、俺は大丈夫だよ。」

「そうですか、アリアちゃんがご迷惑を掛けました。それで、部屋に入れてもらってもいいですか?」

祐はこの時やっとわかった。ケアリーが来たのはアリアを止めることが目的ではない。いやそれも目的の一つだろうが、一番の目的は愛花のところに行くとことだろう。

「ご、ごめん。今退くよ。」

祐は慌てて立ち上がって扉の前を開けた。

「ありがとうございます。では失礼します。」

ケアリーは笑顔で祐にお礼を言うと部屋の中に入っていった。

そこから約5分後。部屋から先に出てきたのはケアリーだった。

そして、ケアリーが出てきた扉は閉まることなく、微妙な感じに開いている。

「ほら、愛花ちゃん。出てこないと。」

「う、うん…」

その微妙な隙間が徐々に開き始めて、制服に着替えた愛花が祐を上目遣いで見ながら出てきた。

その頬はまだ赤く、祐と目が合った途端に目をそらしてしまった。

「愛花…」

「…に、兄さん…」

2人の間に静寂が流れる。

「「ごめん!」」

静寂を破ったのは2人とも同時だった。

「え?」

両者ともポカーンとした顔でお互いを見ている。

「俺が悪かった。愛花も女の子なんだからもっと気を配るべきだった。」

先に我に返ったのは祐だった。

「そ、そんなことはありません!兄さんが寝ているのを私は知ってたんだからこのことは予測できたはずです…」

再び2人の間に沈黙が生まれる。その沈黙を破ったのは当事者の2人ではなく、

「…ま、まぁお互い非は無いよ。ね?」

アリアだった。流石にこれ以上はと思ったのか、アリアが仲裁に入った。

「そうですね。どちらにも非はありませんよ。」

「う、うん…ありがとう2人とも。」

愛花が下を向きながら2人にお礼を言った。

「さ、もうこんな時間ですし、お兄さんも着替えないと朝食の時間が無くなってしまいますよ。」

「そ、そうだな。」

アリアとケアリーのおかげもあって、朝の騒動はなんとか終息を迎えることが出来た。


読んでいただきありがとうございます。


今回は…すこしほのぼのとした話を書いてみたかったので書いてみました…

ですが少し書き方が短調だったなと自分でも思います…



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