表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/60

天界来訪編2

飛ばされた祐が目を開けるとそこは空だった。

「な、なんだこれは!」

周りに建物はない。いや、下を見るとそこには建物があった。

だがこのままだとその屋根に突撃することになる。

「ど、どうする…」

祐は辺りを見回した。すると一つだけ広い草原が見えた。

祐は身体を傾けるなり何なりして何とかそこへ向かった。

だがそこまで届くはずもなく祐は平屋の大きな建物に突撃した。

「いてて…」

祐は辺りを見回した。そこはどうやら体育館のようだ。

「体育館?学校なのか…?」

「そうだ。ここは学校だ。」

声が下から聞こえてきた。

「そうか…俺は生きてるのか…」

「生きているな、今は…」

祐の鼻を心地よい香りがくすぐった。

「この香り…?」

祐は香りのする方、下を見た。

するとそこには一人の女子学生がいた。

祐はそこに覆いかぶさるように倒れていた。

「…」

「…」

祐はハッと立ち上がってその場を離れた。

「ご、ごめん!」

その女子学生はすっと立ち上がり軽く体操服を払った。

「君の名前は?」

「な、名前?」

「そうだ。」

「西城祐…だけど。」

「そうか西城か。よし西城。お前はここで死ね!」

女子学生の周りに見たことのない赤い陣が現れた。

そしてそこから炎の玉が一つ祐に降り注いだ。

「なんだそれ!」

祐は加速の魔道を発動しようと思い光剣のある左腰に触れた。だがそこに光剣はなく、代わりに光剣に付けていたはずの警棒デバイスがあった。

(光剣がない!?仕方ない。これでも加速の魔道は使える)

祐は加速の魔道を発動して炎の玉を躱した。

「この!」

女子学生はさらに炎の玉を無数に発生させた。

その玉はものすごい勢いで祐に迫る。その勢いで女学生の赤い短髪がなびく。

祐はそれをなんとか躱した。玉は10発程度ではなく50発はあったように思えた。

「これを躱すだと!?」

「はぁ…はぁ…」

祐は違和感を覚えていた。

(魔力が少なくなっている…?ルシファーとサリーの感じもないし、どういうことだ?)

祐は今まで通りに加速の魔道を連発させた。ヨハンと戦った時ならなんの苦もなかっただろう魔道の連発がかなりの消耗に繋がっていた。

「お前、何者だ!」

女子学生が祐に向かって叫んだ。

「それは…こちらの…台詞…なんだが…」

祐は息が上がっていた。もし同じことをもう一度されたら加速の魔道だけでは回避しきれないだろう。

「私はアイリス・ミカールだ!」

「アイリス・ミカール…?」

周りが騒めいた。「アイリス様のことを知らないなんて…」「あの不届き者を早く排除しないと。」などといった発言がそこら中で巻き起こっていた。

「私は名乗ったぞ。お前の名前はなんだ。」

「あぁ、俺は西城祐だ。」

「西城…祐。聞いたことのない名だな。大した家柄ではないのだろうな。」

(西城の名を知らないだと?魔道に関わる者で西城の名を知らない人間がいるとは思えない…)

「だがお前の身のこなしは大したものだ。そこらの有象無象とは違った。」

「それはどうも。」

祐は軽く頭を下げた。そしてこれでどうにかなると考えていた。

「だが、私を辱しめたことの責任は取ってもらわないとな。」

「へ…?」

「明日の夕刻に私と決闘しろ。そこで勝てば無罪、負ければ牢獄行きだ。わかったな。」

「ちょっと待って!俺はこんなことしたくて来たわけじゃない!」

女子学生は一度立ち止まって振り返った。祐は安堵してことのいきさつを話したが誰にも信用されず、そのまま拘置所とでも呼べる場所に連行されていった。


読んでいただきありがとうございます。

詳しい後書きは活動報告の方で…


コメントや評価よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ