学園祭編8
「2人ともお疲れみたいね…」
クーデリアが労う。
「い、いえ。このくらいなんでもないです!」
真は急に背筋を伸ばした。あからさまにわかりやすい人だ。
「ほんと疲れましたよー」
万里香がよろよろと自分の席に向かいながら言った。その瞬間、
「会長が労ってくださってるんだぞ!もっとほかに返すことがあるだろ!」
真が文句を言う。
(まだ二日目だけどここの構図が見えたぞ…)
クーデリアはそれをほほ笑んでみている、(決して笑ってはいない)
「いやぁ、祐くんは人気者だね。」
万里香が真を完全に無視して祐に話しかけた。
「…人気とは違うと思いますけど。」
「でもみんな君の話で持ちきりだったよ?」
「…それは知ってます。朝から襲われるほどですから。」
「あら、それは聞き捨てならないですね。」
クーデリアが祐の一言に反応して前に出てきた。
「祐くんに危害を加えようとした輩は誰ですか。きちんとした罰を与えないと。」
クーデリアは真面目な顔をしているようで口元の笑みを隠しきれていない。
まぁそれも祐の観察力だから見抜けるのだが。
「…会長。2人が本気にしますよ。それに見ての通り危害は加えられてませんから。」
祐がため息気味にクーデリアに言った。
クーデリアはクスッと笑って自分の席に戻った。
そして祐は真と万里香の方を向いて
「お二人には本当にご迷惑をおかけしました。すいません。」
祐は頭を下げた。
「気にしないでいいよー」
万里香があっけらかんと答え
「これは君の責任ではないからな。仕方がない。」
真も祐のことを生徒会の一員としては認めてくれたようだった。
「さて、お仕事をしましょう。」
クーデリアが手をパンと叩いて話はそれきりになった。
それから約2時間。
「みんなお疲れ様。上がっていいわよ。」
クーデリアが生徒会終了の合図を出した。
「会長、お先に失礼します。」
「お疲れ様でーす。」
そして前回と同じように2人が先に帰っていった。
2人が返ったのを見計らってクーデリアが祐に話しかける。
「祐くん。」
「どうしました?」
「本当に大丈夫ですか?」
クーデリアの表情は先とはうって変わって心配一色だった。
祐は立ち上がり、クーデリアの前まで行く
「本当に大丈夫ですよ。あの程度だったら何の問題もないです。」
「ですがこれからもっと過激なのが来たら…」
「大丈夫ですよ。学校の敷地内でデバイスを無断使用なんてしたらどうなるかは誰もが知ってることですから。」
「ですけど…」
クーデリアはまだ心配しているようだった。
(どうしたら安心してもらえるだろうか…)
「一応、対策を考えますよ。それより暗くなりますし帰りましょう。」
遅くなってすいません!
なかなか書く時間が無く遅くなってしまいました。これからはペースを上げたいと思います(まだ私用が片付いていないので確定はできませんが…)
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