表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/60

つかの間の休日3

それから約1時間ショッピングを続け時刻は昼過ぎになった。

「そろそろ昼ご飯にしようか。」

「そうだね。」

2人は近くのファミレスに入っていった。

入った瞬間やはり祐は視線の嵐にさらされた。

(はぁ…もうあきらめよう…)

祐はため息をついた。

「祐?」

「何でもないよ…」

凛はまだ首をかしげていたがすぐにウェイトレスに席に案内されたので詮索も打ち切りになった。

そこから2人は普通にランチタイムを楽しんだ。

そして今は食後のブレイクタイム。

「そういえば検定の帰りの時、どうして生徒会長さんと一緒に来たの?」

凛が唐突に尋ねてきた。

「あ、えっとあれは…」

祐は少し考えた。だが長く考えるのは疑いを持たれてしまう。

(…なんて答えようか)

「あれは…そう、俺一位になっちゃったからさ、いろいろなところから声かかってきてそれの相手を手伝ってもらってたんだよ。」

我ながら苦し紛れの言い訳に思えた。1位になることで様々な企業から声がかかることはよくあることだ。だがその商談も基本的には個人に任されている。つまり生徒会長――クーデリアが出てくることはまずないのだ。

「ふーん、生徒会長まで出るって言うことは相当な相手だったんだね。」

「そ、そうなんだ。」

どうやら凛はこの答えに疑いを持っていないようだった。

まぁ先に述べたこともそういう風になっているという感じの噂程度のものなので凛も気に指定なのだった。

「そういう凛には声かからなかったのか?」

祐は隙を見て話を切り替えた。

「あ、うん、そうだね。何件か来てた…よ。」

凛の顔が少し曇った。

「どうかしたのか?」

「ちょっと思い出しちゃって…来た人たちのほとんどがその…そういう人たちだったから。」

「あぁ…それは悪かった。」

祐は凛の顔だけで相手がどういうやつらだったのかがわかってしまい自分のしたことを恥た。

「「…」」

2人が沈黙する。

「…さ、さて次行こうか。」

祐が立ち上がり、それに凛も続いた。

それからは少しぎこちない感じが続いたがまたショッピングをした。

そして時刻は夕刻。

場所は少し離れて小高い丘の上の公園。

「うーん、今日は歩いたなぁ。」

「ごめんね、ほとんど私の買い物につき合わせただけだったよね…」

「気にしないで。俺も楽しかったから。」

「それならいいんだけど…」

凛がうつむく。

「…もしかして俺の事気にしてる?」

「え?」

「いや、俺のこと心配してるのかと思って。」

「あ…気づいちゃった?」

凛が少し顔を傾けた。

「うん…祐はこの前力が暴走したでしょ?」

「…ばれたのか。」

「だっていつもと違いすぎたから。」

凛は笑顔で祐にそう言った。

「その通りだ。この前の俺は力が暴走した。でも暴走したのも悪いことだけじゃなかったよ。」

「え、どういうこと?」

「うーん、どう説明したらいいのかな。」

そのときだった。

(なに簡単な話だ。こうすればいい)

祐の頭に声が響いた。

それと同時に凛が目を見開いた。

「そ…それ何?」

「?」

祐には何が起きたかわからなかった。

だがすぐに何が起きたかわかった。ひらっと祐の前にマントが現れた。

祐が振り向くとそこにいたのは

「よう。」

「ル、ルシファー!?」

そこにいたのはルシファーだった。

「というかお前実体化できるのかよ。」

「お前が魔力のコントロールに慣れてきたからな。俺もようやく姿を現すだけならできるようになったというわけだ。」

「なるほど…」

「…ねぇ。」

祐はルシファーの言葉に聞き入っていた。

「ねぇ!祐ってば!」

「わああ、り、凛!」

「もう、私をほったらかしにしないでよ。」

凛は頬を膨らましてそっぽを向いてしまった。

「ご、ごめん…」

「ふん、それでその人は誰なの?」

「えっと、こいつの名前はルシファー。俺の膨大な魔力はこいつがいるからあるらしい。」

「ってことはこの人がいなくなったら祐の魔力はなくなるってこと?」

「うーん、どうなんだ?ルシファー。」

祐は横にいるルシファーに尋ねた。

ルシファーは少し呆れたように答えた。

「お前はそんなことも知らないのか。その女の言ってることは違う。お前の魔力はお前のものだ。確かに魔力には俺の意志もあるが魔力そのものはお前自身のものだ。」

「…だそうだ。」

凛は苦笑気味に笑った。

「まぁなぜ魔力に意志が宿ったのかは俺にもわからん。」

ルシファーは最後にそういうと消えた。

「アリシアの時はあれが抑えきれないほどに魔力が暴走しただとさ。」

「ふーん、その心配はもうないの?」

「大丈夫だよ…たぶん。」

最後の「たぶん」はほとんど声になっていなかった。

「そう、それなれいいわ。」

凛はそのまま立ち上がって一度伸びをした。

「うーん、今日は楽しかった。祐ありがとね。」

凛は祐の方に振り返ってそう言った。

その凛の姿は後ろからの夕日とも相まってこの世のものとは思えないほど美しく感じられた。

「いや、さっきも言ったけど俺も楽しかったから。こちらこそありがとう。」

祐も立ち上がり凛にそう言った。

「さて、そろそろ帰るか。」

祐と凛は並んで歩きだした。


読んでいただきありがとうございます!

休日編はこれで終わりとなります。

短くてすいません…どうもこの手のを長く書くのは苦手なのようです…

次回からは…何編になるかは決まってません…すいません。でもなるべく早く書くようにしますのでこれからもよろしくお願いします!


コメントや評価よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ