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検定編16

本来ならばこのまま表彰式の予定だったのだが表彰されるはずの人がほぼ出席できる状態ではないので表彰式は後日に持ち越しとなった。そのおかげでフリーになった祐は真っ先に凛やアリシアのいる病院に向かっていた。

凛は状態がそこまで悪かったわけではない、(といっても相当のダメージだったのだが)ので通常の病室にいる。それに対してアリシアは特別治療室だ。どちらが行くに容易いかは言うまでもなく凛の病室だ。

そういうこともあって祐はまず凛の病室に向かった。

まずは礼儀としてノックをする。

すると中から「どうぞ。」という声が聞こえてきたのに安心した。

祐が扉を開けるとそこにはカーテンが遮るように風になびいていた。

そしてそこには凛の影が映っていた。

祐がカーテンを回り込むとそこには今までと変わらない、(ただし格好は違うが)凛がいた。

「優勝おめでとう。」

「うん、ありがとう。」

二人が笑顔で微笑みあう。

「体は大丈夫かい?」

「うん、まだ魔力が回復しきってないけどその他は問題ないよ。」

「そっか、それはよかった。」

二人はいまだ微笑みあっている。

不意に目が合う。二人はほぼ同時に顔を赤くしてしまった。

するとそのとき、ガチャンという大きな音をたてて扉が開いた。

二人は何事かと振り向いた。するとそこにいたのは特別治療室にいるはずのアリシアだった。

「「アリシア!?」」

「祐さま!」

アリシアの名前を叫んだのは祐とアリシアの二人だったが、アリシアが名前を呼んだのはやはり祐だけだった。

「祐さま~」

アリシアは祐にベッタリくっついた。

祐は避けるに避けられず左腕をアリシアにとられた。

「ア、アリシア…!」

そして凛がそれに怒る。これはいつもの光景だ。

いや、いつもの光景に戻ったのだ。

(やっと、やっともとに戻ったのか。これで検定を見直してくれるといいんだけどな)

そしていつもの通り凛とアリシアが睨み合う。

スッとアリシアが振り返る。

「祐さま今回は本当にご心配とご迷惑をお掛け致しました。」

アリシアが体を90度傾ける勢いで頭を下げる。

それを見た凛は今まで罵倒やらなんやらをしていたのをすぐやめた。

「い、いや気にしないで。俺も凛もアリシアが大切だからやっただけだから。」

凛も祐の言葉に恥ずかしそうにだがうなずく。

「祐さま…」

「私は本当に嬉しいです。祐さまありがとうございます!」

そういってアリシアは再び祐に抱きついた。

「アリシア!」

それを見た凛がベットから起き上がり二人を引き剥がす。

抵抗を見せなかった祐に対して凛が攻めるように眼を向けるが祐は眼をそらす。

これも普段通りだ。やっと普段通りになったのだ。

そうして久しぶりの普段を味わっていると、

開いたままのドアから一人の人が入ってきた。

「ウィンガルドさん?」

「はい?」

アリシアが凛とのケンカ?をやめて振り返るとそこにいたのは一人のナースだった。

「ここにいたのですね…」

ナースは呆れたようにため息をついている。

「さ、帰りますよ。あなたはまだ病室から出られる状態ではないのですから。」

ナースはアリシアの襟首をつかむとそのまま引きずっていった。

途中「嫌だ!」とか聞こえた気がするが祐とアリシアは苦笑いを浮かべるだけだった。

ちなみに他のナースもそのあときて凛は「あなたもまだ運動は禁止ですからね。」と釘を刺されて苦笑いを浮かべていた。

そしてそのまま祐と凛は当たり障りのない話をして夕方になった。

祐は面会時間が終了して病院をあとにした。

そのまま祐は部屋に帰ることなくある場所に向かった。

それは祐たちが泊まっているホテルから約1時間ほどいった場所にある別のホテルの一室だった。

そこにいたのはクーデリアと西城明日香だった。

「こんばんは、今日はよろしくね。」

「ええ、でもまさか本家の方が今日もいるなんて思いませんでしたよ。」

「そうかしら、結構大がかりなことをするんだから出てきてもおかしくはないと思うわよ?」

明日香は祐をしっかりと見て話してはいる。だが祐にはそれがどことなく白々しく思えた。

一方クーデリアは今ここでの立場は護衛役ということなのだろう、先程からただ黙って話を聞いているだけだ。

「そうですか。ではよろしくお願いします。作戦に変更はないですよね?」

「ええ、あなたと彼女が正面から突っ込むのでしょ?それで問題ないわ。」

祐はそのあと敵の居場所などの事項を聞くとすぐさまその場をあとにした。

なぜだかここに長居するのが危険に思えた。理由は祐にもわからない。

部屋から出るとクーデリアがそっと祐に尋ねた。

「祐くん?どうかしました?」

「い、いやなんでもないよ。」

祐は表情を隠したつもりだったのだが出てしまっていた。

「そうですか?とりあえず気を引き閉めていきましょうね。」

「う、うん。」

祐は少し慌てた様子で言葉を返しそれ以上なにも聞かれないようにか少し急ぎ眼にホテルをあとにした。

 



読んでいただきありがとうございます。

遅くなって申し訳ありません…書く時間がなかなか取れませんでした…

さらに今回は短めです…重ねてすいません…

今回は次回のつなぎのような感じです。次回は潜入(?)ミッションになる予定です。良ければそちらも読んでください

コメントや評価よろしくお願いします!

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