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異世界生活の日常  作者: テンコ
第6章 彼女の日常
99/99

XX エピローグ 箸にも棒にもかからない話 2

2話連続投稿してますヾ(⌒(_*'ω'*)_

 ――最初に神様に会った際、望んだのは願い事の保留だった。


 つまりは今生きている世界から、神様に連絡を取る事を許して貰った訳である。

 その為にはいくつか条件があって、例えば一度降ろすまでは純潔を保つ事であったり、ご神体をいくつか奉納する事であったりした。流石に木から彫り出す技術も才能も無かったので、代わりにフィギュアの奉納を何とか許して貰った訳である。


 そんな条件をなんとか乗り越えて、そして今現在抱えている願いを言ったのだ。

 ……途中純潔は危ない場面もあったし、まして最近は家の中でさえ危なかったのだけれど、ね。


 正直な話、思いつく願いって言ってもそんなに無かったから。

 慎ましく生きて行ければいいと思っていたし、その能力くらいはあると思ってたから。無理だったらそこまでだ。何とかするしかなかっただろう。


 神降ろしをするまでに願いが決まれば良かったんだ。


 それでここ最近その願いが出てきたから、思い切って交信してみたんだけど、上手くいって良かった。


 1回目は願いを伝える為の儀式。

 2回目は願いを叶えて貰うための奉納。


 で、つい先日2回目を終えた。

 その際に奉納する物が頂ける祝福と釣り合ってないんじゃないかと感じたんだけど、そこら辺は価値観の違いみたい。

 私は宝石を貰っても嬉しくないけど、貰って嬉しい人もいる、みたいな?


 ……奉納したって言うのは、この世界での日記、だね。

 今までの生活をお話に仕立てて文章にし、神様に捧げたのだ。驚いたのが、私と関わっている人の、私じゃない視点の話が勝手に日記に書き込まれていった事だけど、そこは神パワーらしい。

 話の流れは、閑話を入れると整理できると説明される。


 さて、そんな奉納物で良いのかなとはさっきの疑問だが、神様は特別な人物じゃないと関われないから普通の生活の話をお望みになられた。関われるのは、勇者とか聖女とか、選ばれた転生者とか。

 私はそのどれでも無かったから生活を覗き見る事が出来なかったと言う。いや、覗かれたら堪ったものじゃないから、それで良かったんだけれど。


 つまり豪華な食事ばかりで飽きてきたので、定食でも食べたい、みたいな話である。身も蓋もない。


 ――そして、お話を対価として奉納し、私が貰った祝福は――。





「ほぉら、母さんですよぉ、母さん」

「あらシズナさん。わたくしもママですわよ?」


 妖狐は異種族との夫婦の間では極端に生まれにくいらしく、私がゲームの設定通りに生まれたのは神パワーらしかった。

 目の前できゃっきゃっと笑う淫魔の"我が子"をあやしながら、"夫婦"で笑い合う。


 二人の母親って話は、この家では鉄板のネタだったりする……厳密には二人だけじゃないんだけれど。


「シズ。こっちももうすぐですよ」

「あ、はい。姉さま」


 "家族"の前では、口調を戻したリーン姉さまのお腹は、9ヶ月にもなる膨らみきったお腹になっている。多分、エルフの子だろうか。感じ取れる魔力量から考えても、エルフの子であると思う。


「いいなーリーンさん。シズねぇ、あたしも欲しぃ」

「ちょ、メルカちゃんはまだだめですって、まだ。学業もありますし、夫妻にもまだお伝えしてないんですから」

「父さんと母さんなら大丈夫だよー」


 姉さまのお腹に触れながら、唇を尖らせるメルカちゃん。けれどそこだけは妥協できないし、しちゃあいけない。年がっ。


「まぁシズねぇが、まだって言うなら仕方ないね……次はモエさんかな?」

「そうねー。シズナも積極的になってくれたし。そろそろかな?」


 ちょっと前までのツンケンした態度が柔らかくなり、段々とアヅマ母に似かよってきたモエ。

 彼女は落ち着いた雰囲気でお茶を飲みながら、そっと自身のお腹を撫でている。何か気恥ずかしい。


「シズナと私だから妖狐は確実だけど、それなら一度里に戻って報告……あ、連絡出来るんだっけ?」

「ええ。あの里にはギルドの連絡機材を常駐させる事にしたらしいので」


 アヅマ母は何となく、許可しそうなのは分かっているけれどね。


 ――つまりは、私が願ったのは、そう言う事だ。


 あの日、女同士で不毛だって事を言われて悲しんでいたメルカちゃんを見て、方針を決めたのだ。

 この世界にいる女性同士のカップルには悪いと思うけれど、まぁこれも私の人生だし、出来る事はするから。


 ――結局最後まで、これと言って語れる部分もなく、けれど最後の最後で宝物が8つ……それ以上出来る事になった人生だけれど、私は日常を謳歌してます。

最後まで大きな事件もなく終える人生もあると思います。

きっと周りには本物の主人公がいるんだけど、自分は脇役で、関われる事もないモブみたいな。

傍観チラチラッすらもしない人がいて良いんじゃないかなと。


とりあえず完結です、読んでくださっている方は、誠にありがとうございました。ご感想を書き込んでくださっている方も、遅くなりましたが返答をしたいと思います!


実はこっそり仕事中ノートパソコンで書き溜めてメールで家に送り、暇を見つけては投稿してました。

TS百合というとてもとても狭い範囲の話を、欲望に任せて書きなぐっていた時間が唯一の癒し時間でした。


目標の9月9日に99話で終わって良かった!

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