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異世界生活の日常  作者: テンコ
第1章 彼の気持ち
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1-XX 閑話 彼女の話 2

 また、あの女だった。


 あいつ、そうあいつの行動の全てが私を責める。


 私がいくら分け与えようとも、あの女は若いと言うだけで、ちやほやされるのだ。


 若いのに。私も若いにも関わらずだ!


 許せない許せるはずがない。


 その場所は私のモノだったはずなのだ。


 そこは私の、席なのだ。





 今日もじじいと会って話を詰める。


 普通ならこのじじいには会いたくない。


 でも、あの女が邪魔をするから、私はこのじじいのとこに来るしかない。


 それもこれもあの妖狐が悪いのだ。


 大した稼ぎにならないはずだが、このじじいはあの妖狐を気に入ってるから動くだろう。


 前と違って稼ぎにならないが、私は目障りなあの女を視界から消す事が出来る。


 同時に、あいつの夢とやらも踏み躙れる。それが終われば、私は落ち着けるのだろう。


 私は快美な妄想に浸る。あの澄ました顔が歪むのを愉しみにしているから。





 今日もあの女は孤児院にやってきたそうだ。


 私はいなかったが、卒院するからと言って服を持ってきたらしい。


 必死に媚びを売りやがって。気持ち悪い。


 私はじじいの所にいたから会わなかったが、会わなくて良かったと思っている。


 きっと、抑えきれないだろうから。


 口元に浮かんだ、歪んだ三日月を見られてしまうだろうから。


 そう、あと少し。


 もう少しじじいと会うのを辛抱すれば、あの女が消えてくれる。


 愉しみだ。


 その時は、今日貰ったらしい服を、一緒に処分してあげよう。名案かもしれない。


 私はそう考えて、また嗤った。


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