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1-XX 閑話 彼女の話 1
あの女は私の神経をいつも逆撫でする。
会うたびにいつも。
いつもいつもいつも。
私が孤児院にやって来たときからあの女はいた。
妖狐族の捨て子。
妖狐と言えば種族の女は殆ど見目麗しいとされている。将来は美人に……それすら鼻につく。
かと思えば、姉さん姉さんと年下の多くに慕われているのだ。
本人も満更でもない顔をして……。
チッ。
あの女の全てが私の焦燥感を煽る。
この前など、変なエルフに金貨を見せられた。
何なのだ、あの女は。
一体何なのだ!
私がいくら欲しくても手に入らないモノを、苦労もなく手に入れている。
これは可笑しい。間違っている。
何故だ!
何故私ではないのだ。
何故!
私はじじいに会って、あの女の話をする。
じじいもあの女が気に入っている様だ。
上手くいくかもしれない。
上手くいけばいい。
あの女なんて、そう。
居なくなればいいのだ。
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