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フランケンシュタインの旅行手段
一ヶ月後、私には会社からの給料が入っていた。大体三十万位だ。生活費である水道代や電気代ガス代、家賃などで二十万程度必要だとして、残りが十万。十万で足りるだろうか、私は少し不安になった。何しろ私は旅行に行った事がないのでいくら位の金を持っていけば良いのかが全く分からない。近くにPCや携帯もないし、会社でもそういった機械を使わない職務に就いていたので、調べることは出来なかった。
一人悶々としていると、あの紅葉の旅行雑誌とは別の旅行雑誌が目に入った。かなり最近のもので、北海道や青森などの東北の観光地を紹介した雑誌だった。内容は、ヒッチハイクで旅をしよう!!、というものだった。記事には、格安で目的地に着ける、と書いてあり、実際にヒッチハイクをした人の体験談やヒッチハイクでの注意点などを綴っていた。
これを買った時は少し馬鹿馬鹿しいなどと思っていたが、今はこれにすがるしかない。私は流れて来た二本目の藁を必死で掴んだ。