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レーコさん  作者:
3/5

五月 友人関係

友達がウザい、と思った事は何度かある。そのせいで友達は少ない。

真田はその点では最高にウザい奴だった。同時に一番仲の良い奴でもあった。

ことあるごとに、ウチに来ようとする。その度に俺も必死で説得する。

原因はレーコさんだ。あの部屋は元々レーコさんの"家"でもあるから、俺以外の人間が入ろうものなら全力で祟る。一度泥棒に入られた事があったけど、その時は首から血を流して倒れていた。救急車で運ばれて、命に別状は無かったから良かったものの、俺が止めてなかったら多分彼は死んでいた。自業自得だけど。あの部屋に幽霊はレーコさん一人で十分だ。レーコさんが最強のセコムすぎて辛い。

最近は中村と喋れるようになった。彼女も霊感持ちらしく、俺にレーコさんの力を感じたから怖くて近付けなかったそうだ。

彼女が言うには、爪の痕は"あなたは傷付けない"という印なんだと。まぁその痕は三日で消えたけど、傷は関係無いらしい。

「でもそのレーコさんだっけ? 何で死んだんだろうね」

中村のその言葉に少し引っかかった。



『おかえり』

「ただいま」

最近のレーコさんは話しかけても消えないし、行ってらっしゃいとおかえりを言ってくれるようになった。

レーコさんは俺の下げてるレジ袋を見た。中にはミカン缶とバナナ、牛乳が入ってる。

それらをミキサーにかけてる時も、レーコさんは俺の背後に立ってずっと見てる。

ははぁ、さては。


「はい」


レーコさんは不思議そうに俺を見た。

彼女の目の前には作りたてのミックスジュースを注いだコップ。

「あれ、嫌い?」

レーコさんは首を横に振った。

じゃあいいや、と俺は自分のを飲み干すと、ベッドに横になってレーコさんに背を向けた。



翌日コップを見ると、空になってた。



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