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主人公は加虐的!

ユニークアクセス1000名を超えました。こんな駄文ですが、お気に入りに入れて頂いている方がいて嬉しいです。物語も中盤です。サクサク読めるライトなお話にしていきたいです。

「げ、佐渡だ!!」

「先生来たぞー、佐藤ジャンプ隠さないとまた破り捨てられるぞ!!」

「マジあいつ性格度Sだよねー」

 秀一の担任を任されている3年B組では秀一がちょっとした粗を発見することからネチネチ反論できない説教を食らうことが慣例化している。

 相手の弱点、触れられたくないところをいじくり回すことは秀一の特技であり趣味でもある。

 高身長、美形といっても良いだろうマスクを持っているのにも関わらず、その度Sぶりからほとんどの生徒からは人気がない。その結果がサド防衛線の構築された教室である。

 秀一が来た瞬間この教室は校内でもっとも真面目かつ、優秀なクラスに化ける。

 隙を見せればやられるからだ。

 結果、保護者からの評判は生徒に反比例していい。生徒達は自らの親に

「騙されている」

と、口を揃えて言うのだった。


「何だお前達、全部聞こえていたぞ?佐藤、ジャンプは持ってくるな、月曜に買って家で読みましょうね……フン!」

 そういうと一息に佐藤という生徒のジャンプを引き裂く秀一。

 叫ぶ佐藤、慰める友人、それを見て微笑む度S。

 ……おかしいだろ!?

 透明化の魔法で秀一のすぐ横に浮いていたバルは、ちょっとおかしい3年B組の様子に突っ込みを入れる。

 見えない、聞こえないふりをしてバルを廊下に捨てた秀一は、教育もとい調教を始めるのだった。



 何事もなく過ぎ放課後



「ふー、今日もようやく終わった。出てきていいよ」

 最後の生徒を帰した秀一はバルに声をかける。

「ひでえサドってマジだったんだな」

 今日一日の行動を観察していたバルは恐怖政治と調教を行う高校教師を初めて見たことである種の感心をしていた。魔界のうわさよりひどかった……と。


 なぜバルが高校まで着いてきたかというと。

 朝、ヒーナと祥子に見送られて玄関を出ようというときになってバルが注意を促してきたからだった。

「秀一、今後現れる候補と契約者はお前に近い奴から現れる可能性が高くなるかも」

「どういうこと?」

 バルはうーん、と少し考えて慎重に言葉を選びながら語る。

「たぶん、俺がお前を選んだのもヒーナが祥子を選んだのも、偶然じゃないぜ。因果の鎖って言うマジックアイテムが使われている可能性が高い。魔王ってこの魔王バトル自体も盛り上げようとしているから、家族や兄弟同士での宿命の対決とか起こるのが見たいと思うんだ」

 娯楽で親しい人達を戦わせ悲劇の運命を引き起こす。聞いただけで吐き気をもよおす最低なアイテムが、因果の鎖の効果ということだ。

「ということは、私は私の日常を守るためには知り合いを倒す必要があるわけだね」

 淡々と言う秀一にバルは戸惑う。

「あのなー、倒しちゃう気なのかよ?」

 そう、今の言い方はもう覚悟のできている者の言い方だった。

「ああ、敵になるなら仕方ないよね」

 秀一にとって大事なのはライフスタイルであり、あくまでそこに生きる人々はお気に入りのオブジェクトというだけだ。絶対必須なわけではない。

「なあ、とりあえず学校でも戦闘になるかもしれないから俺もついていくぜー」

 バルは思った。サディーちゃんの外見になると少しだけこの違和感が薄まっている気がすると。普段の秀一はどこか壊れていて怖いとも。この瞬間バルの脳内では、常時サディーちゃんに変身させて、外側から性格改善できないかという一大プロジェクトが進行しはじめたのはここだけの話である。


「で、怪しい奴はいたのか?」

 秀一の問いにバルは顔を険しくする。

「ああ、3人もいた。しかも一人からはファングの魔力を感じた。契約者をみつけたみたいだ」

 戦いは始まった、しかし同時に終わりも見えてきている。

「こっちから仕掛けて倒してしまうのも手か」

 まさかの奇襲宣言をする秀一、最早こいつは主人公と言えない。

 怪しい人物のピックアップ作業をし、狙いを定めていく二人。

「変身!!よし、こいつだ。こいつから殺ろう」

 サディーに変身して物騒なことを言い出す秀一。 

「え、まだ明るいよ!?」

「帰宅中を襲うに決まってるだろ?」

 とことん黒いことしか言わない主人公。

 

 果たして襲うことにしたのは校長だった。


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