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裏ルール発覚!主人公はまたでない!!


「親父……」


 タイソンは戦闘中にヒートアップしてつい強力な技を使ってしまったことを一瞬で後悔していた。

 アイシクルランスはカウンターで入った。父親の目に。


 ゾブリ

と、やわらかいものを貫く感触がして、その直後に後頭部を粉砕して氷の槍は突き抜ける。

 怪物化して操られていたとはいえ、父親を手にかけてしまった事実に足がすくむ。


「ハハハハハ、なかなかやるじゃないか。どれ、ワシが直接相手をしてやろう」

 ダチョウはメキメキと音を立てながら父親同様の戦闘形態へと変身をする。


 全身が金属でできた3mの陸戦鳥類、頭は猛禽のような凶暴さと、口の中には牙まで生やしている。ほとんど恐竜と言っていいような相手である。

「タイソン、呆けるな、よけろ!」

 ダチョウがタイソンに放ってきた羽を横からファングが爪で粉砕した。

「そうだとも、元々お前の父親は死んでいたしな。ワシが魔力で生きているように操っていた人形にかまけている暇はないぞ?」

 そういうと加速呪文を唱えるダチョウ。鋼鉄を凌ぐ強度の二本の脚が地面を揺るがす爆発的な脚力でタイソンに突撃をかける。

 ダチョウはバトルマニアだった。強力な相手と戦うことが趣味のそれ以外はどうでもいいというタイプの魔族。今は自分の人形を倒したタイソンとファングを全力で叩き潰すことにしか興味がない。

「人形……だと?……じのことか?……親父のことかーーーー!!」

 怒りの爆発したタイソンは白目、筋肉は膨張し、金髪は獅子の鬣のように逆立つ。

 直後に衝撃、ダチョウの加速は音の速さを超えてタイソンへと肉弾でぶつかっていった。

 ぶつかった瞬間にめり込む両足、裂ける血管、周囲の家屋のガラスが砕け散る。

 黄金のオーラを発揮したタイソンはダチョウの音速チャージを真っ向から受け止めていた。


「ちょこざいな!」

 ダチョウが受け止められたその体制から更に魔法を唱えようとしたその瞬間


 横手からくらいついたファングがダチョウの頚椎を噛み砕いた。


「とどめだタイソン」

 タイソンは至近距離からのデンプシーロールラッシュを開始する。両手にはアイシクルエンチャント、見る見るうちに全身が凍っていく。

「親父のかたき!!」

 アイシクルチェーンをつなぎ、さらにアイスコフィンにしたあと、氷柱と化したダチョウを粉砕するストレートブロー。


 ダチョウは首から上を残して粉々に粉砕されたのだった。



「……まさか、ワシを倒すとは。大尊、強くなったな」


 ダチョウは首だけで話す。

「死ぬ前に答えろ、貴様は何者だ」

 ファングの予想が正しければ、今回の魔王バトルは難易度が跳ね上がる。

「ワシは前々回の候補だ。その時の魔王の提案で、こちらに残ることになった。」


「それは何故だ?」

「先代魔王のわがままだ、魔王バトルそのものを変えてやろうという意思だ。同時に強力な魔族をもっと多く参加させるということで、ワシを含め、戦いが好きな魔族は4人残っている。……もっともワシはここまでのようだが。ククク、他の3人はワシよりも強いぞ」


 ファングの予想は的中していた。敵が増えている。しかも今回の魔王の魔法の影響を受けない強力なままの魔族として。

「親父は、ゾンビだったのか?」

 大尊は変身を解いてダチョウに聞く。

「ああ、奴は前回のバトルで死んでしまったのだ。幼いお前を守ってな。それからはワシがお前を育てていた。いずれはワシと契約させようと思っていたが……、そこの狼にしてやられた」

 そう言うとダチョウの頭は風に流されて粉になっていった。

「なあ、プル男、教えてくれないか?俺はどうすればいい?」

「俺の名前はファングだ。まずはそこから覚えろ」


 大尊とファングの戦いが始まった。



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