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第68話:【朗報】「願いの市場」の決済方法がエグかったので,暴力という名の『法定通貨』で全商品を買い占めてみたw 魂の支払いは踏み倒すのが淑女のマナーですわwww

欲望のセレクトショップ

全次元を会社化したアリシアが次に訪れたのは,あらゆる願いが瓶詰めにして並べられているという「願望次元:サンクチュアリ」であった.そこでは,不老不死から世界の破滅まで,あらゆる奇跡が商品としてショーケースに陳列されている.


アリシアは,もはや完全に「スマホの地図アプリ」と化した管理AIを片手に,市場の最も奥にある豪華なVIPルームへと踏み込んだ.


「…….…….お姉ちゃん,ここはやばいよ.設計図の情報によると,ここの商品は全部『支払った魂』でできてるんだって.一つ買うたびに,誰かの存在が消えちゃう仕組みなんだ」


少女が震える手で警告を発する中,アリシアは椅子にされた枢機卿の背もたれ(背筋)を調整させ,優雅に腰を下ろした.


「…….…….三行で言いなさいな.要するに,ここは『後払い』が利かない不親切な個人商店ということですわね? サービス品質に問題がありますわ」


背後では,ティーウォーマーの魔女が適温の蒸気を吐き,計算機の獅子が商品の時価総額を必死にソロバンで弾いている.


守護者:奇跡の卸売商「ファウスト・ゼロ」の提示

市場の影から,無数の契約書をマントのように纏った男,奇跡の卸売商「ファウスト・ゼロ」が姿を現した.彼は特定の肉体を持たず,他人の「後悔」をエネルギー源とする,次元取引の仲介者である.


「……ようこそ,新たなオーナー様.ここでは何でも手に入る.ただし,価格は貴方の『魂の半分』だ.愛も力も,支払った分だけ手に入るのがこの世の理.貴方の持つ全次元の権利を差し出せば,更なる高みの奇跡を売ってやろう」


ファウストが指を鳴らすと,アリシアの目の前に「全知全能の力」と書かれた最高級の瓶が差し出された.


枯渇した慈悲:ファウストが「対価」を求める理由

彼がこれほどまでに過酷な「等価交換」を強いるのには,血の通わぬ過去があった.


彼はかつて,見返りを求めずに奇跡を与え続けた「慈悲の聖者」であった.しかし,彼が善意で与えた奇跡は,人々を怠惰にし,最後には「もっと楽をさせろ」と暴徒化した民によって,彼の最愛の家族が人質に取られたのである.


「奪う側が救われるなどあってはならない.救いが欲しいのなら,それ以上の痛み(対価)を支払うべきだ」


彼はその日,自らの心臓を「契約の担保」として差し出し,二度と無償の愛を信じぬ冷酷な商人へと変貌した.彼にとっての平穏とは,全ての欲望が正確に数値化され,例外なく「代償」が徴収される,残酷な帳簿の中だけだったのである.


「さあ,支払い(命)を済ませろ.さもなくば,汝という存在を在庫として回収してやろう!!」


施工開始:物理による「不当契約の破棄」

「…….…….長い.三行で言いなさいな.あと,魂の支払い? まぁ,わたくしのような『超優良顧客』に対して,そんな小難しい決済方法を要求するなんて,商売のいろはを分かっておりませんのね」


アリシアは差し出された「全知全能」の瓶を,右拳一つで物理的に「鑑定」した.


本来,奇跡そのものであるはずの瓶が,アリシアの圧倒的な質量圧の前では,ただの安っぽいガラス細工のように粉々に砕け散る.


「な……!? 奇跡の概念を,純粋な腕力で叩き壊したというのか……ッ!! 契約は絶対……魂の支払いがなければ,何も得られないはずだ……!」


「教育が必要ですわね.支払いは既に済んでいますわ.わたくしの『拳』という名の,これ以上ない高価な外貨でね!!」


アリシアはファウストの纏う契約書のマントに向けて,全人生の負債を乗せた正拳突きを叩き込んだ.


ドォォォォォォォォォォォォンッ!!


それは紙を破るのではなく,あまりの衝撃波によって「対価」という概念そのものを物理的に粉砕し,強制的に「全商品を無料(暴力)」へと書き換える衝撃であった.


決済:市場の「完全買収」完了

ファウストの契約書は粉々に砕け散り,彼が管理していた「等価交換」は,アリシアの拳によって「ただの領収書」へと書き換えられた.


「ガ,ハッ…….私の理が……私の正義が……ただの『強奪』に……」


「……ふぅ.ようやく商談成立ですわね.お姉ちゃん(仮),この『卸売商』さん,これからはわたくしの会社の『カスタマーセンター』として,クレームを片っ端から物理で処理させなさいな」


暴力は善である. アリシアの理不尽な拳は,次元一の悪徳商人を「ただの苦情処理係」へと引きずり下ろし,願望次元の全在庫を彼女の気まぐれ一つで独占できる状態にまで買い叩いてしまったのだ.


「さて,次はどこの棚かしら? ……センター長,次は『世界の結末を捏造している』という次元へ案内なさいな.わたくし,物語のオチを自分好みにリフォームしたくなってきましたわ」


アリシアの不敵な笑みと共に,一行は次元の扉を物理でこじ開け,新たなるターゲットへと向かって進軍を開始した.

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