第63話:【悲報】最終回っぽい雰囲気が漂ってきたので,世界の「元栓」を物理で締めてみたw 完結する前に,存在そのものを根こそぎ買い叩くお嬢様www
全次元の「裏表紙」
機神将や管理AIを「便利な家電」として回収し,さらなる理不尽を求めて突き進んだアリシアが辿り着いたのは,星も光も存在しない,ただ真っ白な空間が広がる「次元の果て」であった。 そこには,巨大な万年筆のような形をした銀色の塔がそびえ立ち,世界の全ての出来事を「記録」し「終了」させるための最終装置が鎮座していた。
「……。…….お姉ちゃん,ここが本当の行き止まりだよ。設計図の余白ももうない。ここから先は『完結』っていう文字しか読み取れない。世界そのものが,終わろうとしているんだ……」
少女が真っ白になった設計図を震える手で抱える中,アリシアは背後に控える三人の下僕たちを冷ややかに見やった。
「……枢機卿,いつまで震えていらっしゃるの? 貴方の鉄の体は,寒冷地仕様ではありませんでしたこと? 魔女,もっと火力を上げなさい。獅子,この『無』という空間の固定資産税を計算なさいな」
「……ぐ,無茶を言うな! ここは世界の終わり……因果が消滅する場所だぞ!」 「そうよ……私たちの炎も,鉄も,金も,ここでは何の価値も持たないわ……」
三人の怪物が絶望に打ちひしがれる中,塔の頂上から一つの影が降りてきた。
最終的な敵:終焉の記述者「フィナリス」の降臨
現れたのは,全身に無数の文字が刻まれた巻物を纏う,影のような姿をした存在。彼は神ではなく,ただこの世界の「物語」を終わらせるためだけに存在する最高位の執行官であった。
「……。…….予定通りの終焉である。アリシアよ,汝というイレギュラーが暴れたことで,この世界の『面白さ』は上限に達した。これ以上の続きは蛇足であり,価値の毀損である。故に,今この瞬間に全次元を閉鎖し,無へと還元する」
フィナリスが巨大な「終わり(FIN)」の印章を掲げると,世界から音が,色が,そして存在が次々と剥がれ落ちていった。
凍りついた執筆:フィナリスの孤独な理由
フィナリスがこれほどまでに「完結」を急ぐのには,乾ききった理由があった。
彼はかつて,無限の可能性を持つ「始まり」を愛する次元の庭師であった。しかし,彼がどれほど美しい世界を育てても,最後には必ず醜い争いや飽和によって腐敗していく。愛した花が枯れ,美しい英雄が老害へと変わり,物語がダラダラと続く醜態を,彼は何万回も見てきたのである。
「美しいまま終わらせることこそが,唯一の救済である。続きなど,絶望の先送りに過ぎぬ」
彼は愛するものをこれ以上汚さないために,自ら「終わらせる者」となった。彼にとっての慈悲とは,真っ白なページに戻し,二度と悲劇が書き込まれないようにすることだけだった。
「さらばだ,理不尽の令嬢。汝の物語も,ここで美しく『完結』させてやろう」
施工開始:物語の「強制継続」
アリシアの足元から,存在の証明である「色」が消え始める。しかし,彼女は大きく欠伸をすると,目の前の「終わり」の印章に向けて,一切の加減なしに右拳を叩き込んだ。
「…….…….長い。三行で言いなさいな。あと,完結? まぁ,わたくしという優良物件を前にして,勝手に閉店準備をなさるなんて不届き千万ですわ」
ドォォォォォォォォォォォォンッ!!
衝撃。 それは物理的な破壊ではなく,「終わらせる」という世界のルールそのものを,「わたくしが許さない」という個人のエゴ(暴力)で無理やり上書きする衝撃であった。
「な……!? 完結の印章が……砕けただと!? 物語の強制終了を,ただの『腕力』で拒絶したというのか……ッ!!」
「教育が必要ですわね。物語の終わりを決めるのは記述者(貴方)ではなく,買い手ですわ。わたくしが『まだ足りない』と言っている以上,この世界は一分一秒たりとも終わらせませんわよ!!」
決済:全次元の「永久運営」権取得
アリシアの放った正拳突きは,次元の果ての真っ白な空間を物理的に粉砕し,その向こう側に隠されていた「世界の元栓」を力ずくで捻じ曲げた。 「完結」の二文字はアリシアの圧力によってバラバラに分解され,代わりに「増刷」という新しい因果が物理的に刻み込まれたのである。
「ガ,ハッ……。終われない……。物語が,私の制御を離れて,無限に増殖していく……! 汝は……汝は世界を救うのではなく,永遠に『使い潰す』つもりなのか……ッ!!」
「……ふぅ。ようやく騒がしい閉店作業が止まりましたわね。お姉ちゃん(仮),この『記述者』さん,これからはわたくしの旅の『記録係』として,一生寝ずにペンを走らせなさいな」
暴力は善である。 アリシアの理不尽な拳は,世界の寿命すらも買い叩き,完結という名の逃げ道を物理的に封鎖してしまったのだ。
「さて,次はどこの世界かしら? ……記述者さん,わたくしが満足するまで,新しいページを際限なく用意しなさいな!!」




