第55話:【朗報】鉄と炎を物理で「錬金」してみたw 絶望のバーゲンセール,お嬢様が全在庫を買い占めるお時間ですわwww
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鉄血の枢機卿による鋼鉄の圧殺と,紅蓮の魔女による因果を焼く業火。二つの絶望的な「重み」がアリシアの体を粉砕せんと襲いかかる。
アリシアの肋骨は砕け,視界は自身の血で真っ赤に染まっていた。かつて無能と蔑まれ,泥水を啜ったあの日の絶望が,今の痛みと重なり合い,彼女の魂を激しく揺さぶる。
「……。…….ああ……。これですわ,これこそが求めていた『本物の手応え』ですわね」
泥に塗れたアリシアが,不気味に笑った。彼女は壊れた懐中時計を握りしめたまま,震える両手を左右に広げた。
施工開始:極悪流「強制合一」
「死ね,理不尽の化身!」「灰になれ,傲慢な令嬢!!」
枢機卿の鉄拳と,魔女の火炎放射が,アリシアという一点で激突する。本来ならば,彼女の存在は原子レベルで消滅するはずであった。
しかし,アリシアは避けるどころか,自らその衝突の中心へと踏み込んだ。
「……。…….三行で言いなさいな。要するに,硬すぎる鉄と,熱すぎる火……。混ぜればちょうど良い『素材』になると思いませんこと?」
アリシアは左手で枢機卿の鋼鉄の拳を掴み,右手で魔女の極大火炎を強引に捕らえた。
あり得ない光景だった。 枢機卿の「鉄」は,魔女の「熱」によって瞬時に融解を始め,アリシアの凄まじい握力による「物理的圧力」によって,彼女の拳の周囲で超高密度の液体金属へと変質していく。
「な……我の鉄を,熱源として利用しているというのか……!?」 「私の炎を,その素手で……練り合わせているの……!?」
物理的論破:絶望の合金
アリシアは考えるのをやめていた。 彼女はただ,二人の背負う重い過去と怨嗟を,物理的な質量として練り上げ,一つの「商品」へと昇華させていただけである。
「……。…….注文の多いお客(敵)には,最高級の『おもてなし』が必要ですわね。……見ていらっしゃいな,貴方たちの絶望が,わたくしの手でいかに美しく『精錬』されるかを!!」
アリシアの両拳に,真っ赤に熱せられた超硬質の液体金属が纏わりつく。それは枢機卿の「不滅の意志」と魔女の「破壊の衝動」が,アリシアの「暴力」によって強制的に融合させられた,この世に存在しない最強の合金であった。
「お姉ちゃん! 二人の出力が一つにまとまって,お姉ちゃんの『負債』が『莫大な資産』に書き換わったよ!!」
少女の叫びと共に,アリシアは地を蹴った。泥濘を蒸発させ,ガラス化した大地を粉砕しながら,彼女は二人の怪物の懐へと飛び込む。
ドォォォォォォォォォォォォンッ!!
逆襲:地獄の全在庫買収
アリシアの放った一撃は,枢機卿の盾を紙細工のように貫き,魔女の魔導陣を物理的に粉砕した。 二人の怪物は,自分たちの力が融合した「未知の衝撃」に吹き飛ばされ,戦場の両端まで叩きつけられる。
「カハッ……! 我らの絶望を……武器に……変えただと……?」 「あは……っ。私の炎が……あんなに冷たく,重い衝撃に……!?」
アリシアは泥を払い,ボロボロになったドレスの肩を出しながら,悠然と立ち上がった。その瞳には,もはや苦痛の色はなく,ただ獲物を狙う「強欲な投資家」の輝きだけが宿っていた。
「……ふぅ。ようやく『仕込み』が終わりましたわね。暴力は善。そして,混ぜればもっと善ですわ」
アリシアは,赤く輝く合金の拳を軽く打ち合わせた。 大戦争は,ここからが本番である。二人の怪物が絶望の底から真の力を引き出す時,アリシアの「買い叩き」もまた,極致へと達しようとしていた。




