第48話:【朗報】「世界の果て」に大きな壁があった件w 邪魔なので『物理』で穴を開けたら,異世界と繋がっちゃったお嬢様www
行き止まりの白壁
時の番人を地面に埋め,さらに旅を続けたアリシアたちは,ついにこの世界の物理的な限界点である「世界の果て」へと到達した.そこには,空も地も飲み込むような,果てしなく続く真っ白な巨大な壁がそびえ立っていた.
「…….…….お姉ちゃん,ここが本当の最後だよ.設計図にも『この先,データなし』って書いてある.ここは世界の境界線で,神様でもこれ以上先には行けない絶対の壁なんだって」
少女が設計図を広げ,震える指でその白壁を指差す.しかし,アリシアは目の前の行き止まりを,不機嫌そうに睨みつけた.
「…….…….データなし? まぁ,最近の若者(創造主)は,途中で仕事を投げ出すのが流行りなのですか? 目的地を目の前にして『準備中』だなんて,極めて無礼な対応ですわ」
アリシアは考えるのをやめていた.彼女にとって「壁」とは,単に「まだ壊されていない不親切なインテリア」に過ぎなかった.
システム警告:運営からのメッセージ
アリシアが白壁に拳を当てようとした瞬間,空間に巨大なウィンドウが浮かび上がった.
【システム警告】
この先は未実装エリアです.
これ以上の進入は,プログラムの崩壊及び存在の消失を招きます.
プレイヤーは速やかに引き返してください.
「…….…….長い.三行で言いなさいな.あと,わたくしはプレイヤーではなく,買い手ですわ.買ったもの(世界)をどう使おうと,わたくしの自由ではありませんこと?」
「あ,お姉ちゃん! 運営さん(神様)が凄く焦ってるよ! 『本当にお願いだから殴らないで』ってメッセージが更新されてる!」
「教育が必要ですわね.通行止めなら,わたくしが『開通』させて差し上げますわ」
施工開始:世界境界の「解体工事」
アリシアは右拳を腰のさらに後ろまで引き絞った.彼女の周囲から放たれる質量圧によって,世界の限界であるはずの白壁に,ピキピキと物理的な亀裂が入り始める.
「お,お姉ちゃん,やめて! 世界が割れちゃう!」
「ふふ,心配ありませんわ.わたくしが通る分だけ,少しだけ『風通し』を良くして差し上げるだけですもの.……参りますわよ! **『極悪流・世界貫通突き』**ですわ!!」
ドォォォォォォォォォォォォンッ!!
それは,世界のプログラムそのものを物理的に粉砕する一撃であった. 本来,消去されるはずの拳が,逆に「世界のルール」を消し飛ばしたのである.轟音と共に真っ白な壁は木っ端微塵に砕け散り,そこには巨大な「風穴」が開いた.
決済:異世界への「不法侵入(買収)」
「な,な……壁の向こうに,何か見えるよ……!?」
砕けた白壁の向こう側には,アリシアたちの住む剣と魔法の世界とは全く異なる景色が広がっていた.巨大な鉄の箱が走り,空を飛ぶ鉄の鳥,そして魔法を使わずに「電気」という名の理不尽な力で動く摩天楼.
「あら.あちらの国は随分と『キラキラ』していますわね.わたくしの次の別荘地にぴったりですわ」
「お姉ちゃん…….別のゲーム(世界)に繋がっちゃったよ…….あっちの運営さんも,今頃パニックになってるよ……」
暴力は善. アリシアの理不尽な拳は,ついに自分たちの世界という枠組みすらも殴り壊し,隣の異世界へと強引に「進撃」を開始したのである.
「さあ,お姉ちゃん.次はあの『高いビル』とやらを,わたくしが買い叩いて差し上げますわ!!」




