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第40話:【朗報】氷の国で「冬眠」しようとしたら床が硬すぎた件w 永久凍土を『物理』で砕いて、最新式の床暖房を完備するお嬢様www

極寒の地:質の悪いベッド

燃え盛る火の国で幽霊を物理的に殴り倒したアリシアたちが次に訪れたのは、世界の北の果て、全てが凍りつく「氷の国」であった。 吹き荒れる猛吹雪、気温はマイナス百度を下回る絶対零度の世界。吐く息すら瞬時に凍結する死の領域である。


「……。……。お姉ちゃん、寒いよ、死んじゃうよ。設計図によると、ここは世界の『冷却装置』が暴走している場所だって。普通の人間は一秒も生きていられないって……」


少女がガタガタと震えながら、銀の箱を抱きしめて体温を維持しようと試みる。しかし、ドレス一枚のアリシアは、涼しい顔で周囲を見渡した。


「あら、少し肌寒いですわね。火の国が暑すぎたので、丁度いいクールダウンになりますわ。……ふぁ。少し眠くなってきましたわね。ここを次の別荘(冬眠場所)としましょうか」


アリシアは考えるのをやめていた。彼女の常識外れな肉体にとって、絶対零度の吹雪は「少し効きすぎる冷房」程度の認識でしかなかった。


第三の試練:絶対に溶けない氷

アリシアは適当な場所で昼寝をしようと、地面に横になろうとした。しかし、そこは数万年間一度も溶けたことのない「永久凍土」であり、ダイヤモンドよりも硬い氷の大地であった。


「……痛っ。……。……。何かしら、この質の悪いベッドは。カチカチではありませんの。これでは快適な睡眠(冬眠)が妨げられてしまいますわ」


アリシアが不機嫌そうに氷を爪先でコツコツと叩く。 その視線の先、氷の大地の中心には、分厚い氷塊の中に封印された「第三の鍵」が青白く輝いていた。


「お、お姉ちゃん、あの氷は『万年不融の氷』だよ。伝説の炎の魔法か、太陽の神様の直接の口づけがないと、絶対に溶けないって……」


施工開始:物理的「床暖房」

「……。……。炎の魔法? 太陽の口づけ? まぁ、そんなまどろっこしい準備が必要なんですの? 最近の若者(古代の氷)は、客人を冷たい床で持て成すなんて、本当に気が利かないですわね」


アリシアは深くため息をつき、右拳をゆっくりと振り上げた。


「教育が必要ですわね。冷え切った関係(大地)には、熱烈なアプローチ(物理)が一番効きますのよ」


アリシアは、氷の大地に向けて、ただ真っ直ぐに拳を振り下ろした。


ドォォォォォォォォォォンッ!!


地軸がずれるごとき衝撃音が響き渡り、氷の国全体が激しく揺れ動いた。 アリシアの拳が激突した一点から、信じられないほどの運動エネルギーが熱エネルギーへと変換される。その超高熱は、爆心地を中心にマッハの速度で周囲へと伝播していった。


「な、何が……!? 氷が、蒸発していく……!?」


少女が目を見開く。絶対に溶けないはずの万年不融の氷は、アリシアの拳が生み出した莫大な摩擦熱によって、溶ける暇すら与えられず瞬時に蒸発した。


決済:快適な空間作り

数秒後。もうもうと立ち込める水蒸気が晴れると、そこには直径数十キロメートルにわたって露出した、赤熱する大地が広がっていた。猛吹雪は止み、周囲は真夏のような熱気に包まれている。


封印されていた「第三の鍵」は、氷が消滅したことで行き場を失い、コロンと地面に転がっていた。


「……ふぅ。ようやく適温になりましたわね。最新式の床暖房、完備完了ですわ」


アリシアは満足げに頷き、湯気を立てる熱い地面から鍵を拾い上げると、それを少女の設計図に押し当てた。


「お姉ちゃん……。世界の冷却装置が、物理的に破壊されて『温暖化』しちゃったよ。設計図の『第三のロック』も、あまりの急激な温度変化にエラーを起こして解除されたみたい……」


暴力は善。 アリシアの拳は、自然界の法則すらもねじ伏せ、極寒の地を快適な別荘地へとリフォームしてしまったのである。

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