第38話:【朗報】「試練」がまどろっこしいので、神殿ごと物理で圧縮してみたw 世界の設計図、ようやく一枚目の「認証」が終わった件www
霊峰の最深部:瓦礫の中の「認証作業」
粉砕された神聖結界の破片が降り注ぐ中、アリシアは神殿の最奥にある祭壇へと歩を進めた。そこには眩い光を放つ「第一の鍵」――水晶のような形状をした高密度の情報体が浮かんでいる。
本来であれば、選ばれし勇者が数々の謎解きと自己犠牲を経てようやく手にできる代物である。しかし、アリシアが通り過ぎた後の神殿には、謎解きの仕掛けも、厳かな装飾も、それどころか「壁」すら残っていなかった。
「……。……。お姉ちゃん、ここ、さっきまで凄く歴史のある迷宮だったんだよ? 設計図にも『千年の智恵を試す迷路』って書いてあったのに、一分で終わっちゃったね」
少女が、光る設計図を抱えながら、自分が歩いてきた「最短距離(壁に開いた人型の穴)」を振り返る。アリシアは祭壇に置かれた水晶を、まるでバーゲンの安売り品でも確認するように無造作に掴み取った。
「知恵? 迷路? まぁ、最近の若者(古代の建築家)は、どうしてこうも遠回りを好むのかしら。わたくしたち、お買い物(鍵の回収)で忙しいんですのよ。最短ルートで進むのが、淑女としてのマナーですわ」
記憶の断片:新大陸での「乱暴」のツケ
アリシアが水晶を少女の持つ設計図に押し当てると、強烈な光が溢れ出した。その瞬間、少女の瞳にノイズが走り、断片的な記憶が蘇り始める。
「あ……。お姉ちゃん、思い出した。さっきの『新大陸』……。あそこは、世界の感覚を司る『センサー』だったんだ。お姉ちゃんがリヴァイアサンを殴って上陸したせいで、世界の『痛み』の数値がカンストして、この第一の鍵の封印がバグって解けちゃったみたい」
第36話でアリシアが新大陸で行った「暴力による挨拶(翻訳)」は、単なる寄り道ではなかった。彼女の規格外の暴力が、世界の管理システムに「致命的なエラー」を吐かせ、結果としてこの神殿への近道を作り出していたのである。
しかし、アリシアはそんな複雑な因果関係など、微塵も気にしていなかった。
「あら。つまり、わたくしが海獣を少し叩いたのは、正しい『デバッグ作業』だったということですわね? 暴力は善――やはり、拳一つで全ては解決するようにできているのですわ」
次なる標的:理不尽な「管理者」の気配
設計図の黒いノイズが一部消え、次の目的地が浮かび上がった。それは灼熱の溶岩が煮え滾る、地の果ての火山地帯であった。
「お姉ちゃん、次は『第二の鍵』……。でも、そこを守っているのは、システムに嫌気がさして暴走した『元・管理者の残滓』なんだって。絶対に言葉は通じないし、物理攻撃も透過しちゃう幽霊みたいな存在らしいけど……」
「……。……。幽霊? 透ける? 三行で言いなさいな。要するに、もっと強く殴れば当たるということですわね?」
アリシアは考えるのをやめていた。 透けるなら、その空間ごと殴り潰せばいい。物理が効かないなら、物理法則そのものを拳で捻じ曲げればいい。 彼女の脳内にある数式は、常に「暴力=解決」という一点に収束していた。
「行きましょう、お姉ちゃん(仮)。最近の若者(元・管理者)に、正しい『隠居生活』の仕方を教えに行って差し上げますわ!!」
アリシアは神殿の残骸をヒールで踏み砕き、次なる理不尽を求めて、火の国へと進軍を開始した。




