第36話:【朗報】新大陸の「神」をデコピンで沈めてみたw 言葉が通じないなら、全部『衝撃』で翻訳すればいいじゃないwww
砂浜:新大陸流の熱烈な歓迎
新大陸の白い砂浜に降り立ったアリシアを待っていたのは、極彩色の羽根飾りを身に纏った数百人の先住民族の戦士たちでした。彼らは見たこともない形状の魔導銃や、呪術が刻まれた槍を一斉にアリシアへと向けます。
「¥%&#!! @*+$!!(未知の言語による警告)」
「……。……。あら。何を仰っているのか、一言も分かりませんわ」
アリシアは困ったように首を傾げました。しかし、彼女は考えるのをやめていました。言語の壁など、彼女の拳の射程距離に比べれば、あまりにも些細な問題です。
「お、お姉ちゃん、みんな凄く怒ってるよ! たぶん『神聖な場所に足を踏み入れるな』って言ってるんだと思う!」
少女が紙切れを握りしめながら、必死に周囲を窺います。戦士たちの中から、一際巨大な体躯を持つ族長らしき男が前に出ると、咆哮と共に大地を叩きました。すると、砂浜から巨大な石像のゴーレム――新大陸の守護神が、地響きと共に姿を現しました。
教育:動かないものへの「活入れ」
高さ十メートルを超える岩石の巨人は、その巨腕をアリシア目掛けて振り下ろしました。直撃すれば、並の騎士団なら全滅するであろう圧倒的な質量の暴力。 しかし、アリシアは退屈そうに欠伸を一つしました。
「……。……。全く。最近の若者(数千年前の古代兵器)は、初対面の相手にいきなり手を出すなんて、本当に躾がなっておりませんわね。少し、おいたが過ぎるようですわ」
アリシアは回避も防御もせず、ただ真っ直ぐに右手の指を弾きました。
ドォォォォォォォォンッ!!
デコピン一発。ただそれだけの動作によって発生した指向性衝撃波が、守護神の硬質な頭部を粉々に粉砕。その衝撃は胴体へと伝播し、古代のゴーレムは一瞬でただの「瓦礫の山」へと姿を変えました。
「……あ。お姉ちゃん、守護神さんが『砂遊びの跡』みたいになっちゃったよ」
「ふふ、これで少しは涼しくなったかしら? 動きが鈍い子には、これくらいの刺激が必要なんですのよ」
翻訳:拳によるグローバル・コミュニケーション
守護神を一瞬で破壊された戦士たちは、恐怖のあまり武器を取り落とし、砂浜に跪きました。彼らにとっての絶対的な信仰が、一人の令嬢の指先一つで瓦裂したのです。
「ヒ、ヒィィッ……! #$%&!!(神に慈悲を!)」
族長が震えながら、アリシアに何かを訴えかけます。しかし、やはり言葉は通じません。
「……。……。サリバンさんの時もそうでしたが、最近の若者はどうしてこうも、まどろっこしい話し方をするのかしら。もっと分かりやすく、心と心で語り合いましょう?」
アリシアは、跪く族長の肩に優しく(地面が数センチ沈む程度の力で)手を置きました。
「わたくし、あのピラミッドが気に入りましたの。あれを別荘として買い取りたいのですが、金貨三千枚……いえ、今の『騒音代』を引いて二千枚でいかがかしら?」
アリシアが満面の笑みで、拳を軽く握り込んで見せました。その瞬間、族長の脳内には「拒絶すればこの大陸が消える」という純粋な恐怖を通じた、完璧な翻訳が完了しました。
「……YES……。……YES……ッ!!」
「あら、ようやく言葉が通じましたわね。やっぱり暴力は善――いえ、最高の翻訳機ですわ!!」
異変:設計図の共鳴
アリシアが「お買い物」の成立を喜んでいると、少女が持っていた幾何学模様の紙切れが、淡い光を放ち始めました。
「……お姉ちゃん、見て。紙切れが、あの大きなピラミッドの方を指してるみたい……。あの中に、何かが眠ってる気がする」
少女の瞳には、いつになく真剣な、そしてどこか懐かしむような光が宿っていました。
「……。……。あら。わたくしの別荘に、勝手な居候がいるということですの? それは大変。すぐに『退去勧告(全破壊)』をしに行かなくてはなりませんわね」
アリシアは少女の手を引き、戦士たちが道を開ける中、新大陸の奥深くにそびえ立つピラミッドへと進軍を開始しました。
極悪令嬢の休暇は、いつの間にか「世界の真理(物理)」を暴く旅へと変貌を遂げようとしていました。




