第34話:【新章開幕】地位も名誉も「めんどくさい」ので全部投げ捨てた件w 世界の真理とか興味ないから、暴力の旅に出ますわwww
王都の街角:英雄の休息(退屈)
大陸統一を成し遂げ、名実ともに世界の頂点たる女王として君臨したアリシア。しかし、彼女を待っていたのは、血湧き肉躍る戦いではなく、書類の山と終わりのない会議という名の、物理で叩けない理不尽な強敵でした。
「……。……。あ、あのね、お姉ちゃん。閣下たちが、関税の調整と法整備について、どうしても陛下(お姉ちゃん)の拳……じゃなくて、ご決断が欲しいって」
元・銀の箱の中身である少女が、申し訳なさそうに告げます。アリシアは、最高級の純金でできた玉座に深く腰掛け、死んだ魚のような虚無の瞳で天井を仰ぎました。
「……めんどくさいですわ」
アリシアは考えるのをやめていました。彼女にとって、国を統治することなど、盛大なお買い物(侵攻)の後に発生するレシート整理のようなもの。毎日毎日、文字という名の微細な暴力に晒され続けるのは、精神的な屈辱でしかありませんでした。
偶然の再会:民衆からのヒント
そんなある日、ストレス発散のために王宮の裏口からこっそり脱走(散歩)していたアリシアは、かつて初期の蹂躙の過程で救った、博識な老人たちの集団に呼び止められました。
「おお、救世主様! 街をお救いいただいた御恩、一日たりとも忘れたことはございません!」
老人の一人が、アリシアの連れている少女と、彼女が大切そうに持っている幾何学模様の紙切れを見て、驚愕に目を見開きました。
「そ、そのお方は……! そしてその紙切れは……もしや、伝説に語られる『世界の設計図』の断片ではございませんか!? その娘が目覚めた時、紙切れを合わせれば、この世の全ての理を書き換える力が手に入るとか……」
衝撃の正体:理の鍵
老人たちの震える声による解説を、アリシアは欠伸を噛み殺しながら聞いていました。要約すると、こういうことらしいのです。
宝箱の幼女:世界のシステムを管理するための「人型インターフェース」
謎の紙切れ:そのシステムの「管理者権限」を呼び出すためのパスワード
つまり、この二つが揃い、少女が完全に覚醒すれば、アリシアはわざわざ拳を振るわなくても、思うがままに世界の理を書き換えることができる。暴力すら不要な、究極の権力が手に入るという話でした。
「……。……。なるほど。それがあれば、わたくしがわざわざ出向いて殴らなくても、全てが片付くということですのね?」
「さようでございます! まさに、真の王にふさわしい至宝!」
アリシアは、その正解を聞いて、清々しいほどに満面の笑みを浮かべました。
極悪の決断:地位の即時決済
次の瞬間。アリシアは、おもむろに頭に乗っていた豪華爛漫な王冠を脱ぎ捨てると、それを目の前にいた老人に強引に押し付けました。
「では、貴方が王をやりなさいな」
「は……? え、ええっ!?」
「地位も、名誉も、この大陸の全予算も、あげる。わたくし、めんどくさくなりましたわ」
「お、お姉ちゃん!? 嘘でしょ!? せっかく手に入れた世界なのに!」
少女が驚愕の声を上げますが、アリシアの意志はダイヤモンドよりも固いものでした。彼女にとって、複雑な手続きや理解が必要な権力など、ただの重荷でしかありません。それよりも、気に入らないものを直接叩き潰す自由の方が、遥かに資産価値が高いと即断したのです。
「世界を書き換える力? 不要ですわ。書き換えたいものがあれば、わたくしの拳で物理的に修正すればいいだけですもの。……さあ、参りましょう。わたくしたちの本当のお買い物は、これからですわよ!」
新たな旅路:暴力の自由
アリシアは呆然とする少女の手を引き、石像のように固まった民衆を置き去りにして、王都の城門を(いつものように粉砕して)飛び出しました。
「お姉ちゃん……本当にいいの? 陛下って呼ばれなくなるよ?」
「ふふ、構いませんわ。わたくしには、この拳さえあれば十分ですもの」
アリシアは晴れやかな顔で、まだ見ぬ地平線の彼方を見据えました。
「さあ、次は海の向こうの最近の若者(新大陸)に、正しい挨拶を教えに行かなくてはなりませんわね」




