第20話:【朗報】悪の元締め、10秒で「家具」に転生w 金庫の中身は全部わたくしのものですわwww
【玉座の間:対話の拒絶】
爆煙を突き抜け、アリシアは館の最深部――豪華絢爛な「玉座の間」へと足を踏み入れた。 そこには、この街の生き血を吸い尽くしてきた元締め、ドン・ゴルドーが、引きつった笑みを浮かべて待ち構えていた。
「待て、話せばわかる! 金か? 女か? それとも権力か!? 貴様のような力を持つ者が、なぜこんな――」
――ズガァァァァァンッ!!
ゴルドーが言葉を終えるより早く、アリシアの拳が彼の横にある高級な大理石の柱を粉砕した。 飛び散った破片がゴルドーの頬を切り裂く。アリシアは考えるのをやめていた。交渉、説得、命乞い。それらはすべて、彼女の耳には「雑音」としてしか届かない。
「……長い。三行で。あと、ドレス。どこ」
「ひっ、ひぃい!? ドレスは奥の隠し部屋に! 金も、金も全部やる!!」
【暴力の執行:元締めの椅子化】
ゴルドーは隠し持っていた魔導銃を抜き放とうとしたが、その指が動くよりも早く、アリシアの「善(暴力)」が炸裂した。
――大気が悲鳴を上げ、音速を超えた拳がゴルドーの腹部にめり込む。衝撃波が背中へと突き抜け、背後の壁に巨大なクレーターを穿った。肉と骨が、理不尽なまでの質量攻撃に屈し、絶望的な音を立てて形を変えていく。
「ガ、ハッ……あ……ぁ……」
アリシアは、意識を失いかけ、くの字に曲がったゴルドーの襟首を掴み上げると、そのまま彼を四つん這いにさせ、床に叩きつけた。
「……ちょうどいい高さですわね」
アリシアは、元締めを「椅子」にしてその背中に腰を下ろした。 かつての公爵令嬢としての完璧な姿勢。だが、その下にあるのは、街を恐怖で支配していた男の背中である。
「ねえ、お姉ちゃん……。その人、生きてる?」
後ろから恐る恐るついてきた少女が尋ねる。アリシアは、ゴルドーの頭を軽く足蹴にしながら、屈託のない笑顔で答えた。
「死なない程度に、物理的に『分からせて』差し上げましたわ。ほら、とっても座り心地が良いですわよ。貴女も隣(床)に座りなさいな」
【隠し金庫:目標への第一歩】
アリシアは、ゴルドーの背中の上でくつろぎながら、彼が指し示した隠し扉を「目力(という名の正拳突き)」でこじ開けさせた。 中には、街中から搾り取られた金貨の山と、眩いばかりの宝石、そして――。
「……見つけましたわ。私の『先制攻撃』」
そこには、この国で最も優れた職人が作ったであろう、純白と深紅のドレスが飾られていた。 元締めがどこかの貴族から略奪したものだろうが、そんな経緯はアリシアにとってどうでもいい。
「お姉ちゃん! すごいよ! 金貨が……たぶん、二千、三千……もっとある!」
少女が目を輝かせて金貨を数え始める。アリシアは椅子(元締め)から立ち上がり、金貨の袋を次々と銀の箱へ放り込んだ。
「ふふっ、金貨一万枚まであと少し……。でも、まだ足りませんわね」
アリシアは、ぐったりとしたゴルドーの耳元で、冷酷な、しかしどこか慈愛に満ちた(彼女なりの)声で囁いた。
「……ねえ、椅子さん。貴方の知り合いに、もっと『悪いこと』をしてお金を溜め込んでいるお友達はいませんこと? 教えてくだされば、次は『背もたれ』くらいの改造で済ませて差し上げますわ」




