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第19話:【朗報】無意識に「社会のゴミ」を清掃してた件w 悪の元締め、次は貴方の番ですわwww

【瓦礫の街:偶然の英雄】


アリシアが五軒目の服屋を物理的に「更地」にした直後のことである。 逃げ惑う群衆の中から、数人の住民が恐る恐る近寄ってきた。彼らはアリシアの返り血に濡れた姿に震えながらも、地面に伏して涙を流した。


「あ、ありがとうございます! あの強欲な店主は、裏で誘拐した子供を売りさばく組織の幹部だったんです……!」 「あのボロ布屋も、実は高利貸しの拠点で、多くの人が身ぐるみを剥がされていました……お嬢様は、私たちの救世主だ!」


後ろを歩く少女が、目を丸くしてアリシアを見上げた。


「……ねえ、お姉ちゃん。お姉ちゃんが壊したお店、全部悪い人たちの隠れ家だったみたいだよ? お姉ちゃん、本当は分かってて……」


アリシアは、壊れた看板の破片で靴の泥を落としながら、虚無の瞳で少女を一瞥した。


「……は? 悪い人? 何の話ですの。私はただ、『接客態度が悪かったから』叩き潰しただけですわ。中身がゴミだろうが救世主だろうが、私の拳の軌道には関係ありませんわね」


――アリシアは考えるのをやめていた。 彼女にとって、相手が善人か悪人かなど、もはやどうでもいい些事である。 ただ、彼女の「暴力」という名の真理が、結果として社会の膿を正確に抉り出していたに過ぎなかった。


【真理の矛先:諸悪の根源へ】


「でもね、お姉ちゃん。あのおじさんたちが言ってたよ。この街の『悪いお店』は全部、丘の上の屋敷に住む『元締め』に金を払ってるんだって」


少女の言葉に、アリシアの眉がピクリと動いた。 母との約束、金貨一万枚。国を買うための軍資金。 末端の店を潰して回るよりも、その「元締め」から直接回収する方が、算術的に極めて効率が良い。


「……なるほど。元締め、ですわね」


アリシアは、返り血で固まった拳をギュッと握りしめた。


「私の気に入る服も用意せず、質の低い部下に街を歩かせ、私の貴重な時間を浪費させた……。その罪、金貨一万枚程度の慰謝料では到底足りませんわね」


彼女の理屈は、一回転して完全な暴論へと到達していた。 元締めが何を企んでいようが、どれほど冷酷な悪党だろうが関係ない。 「私を不愉快にさせた」 それこそが、極悪令嬢が下す唯一にして絶対の死刑判決であった。


【強襲:元締めの館】


丘の上にそびえる豪奢な館。 そこには、この街の裏社会を統べる「暗黒街の王」が、ワインを片手に不敵な笑みを浮かべていた。だが、その静寂は、正面玄関が物理的に蒸発したことによって破られた。


「ごきげんよう、下衆の皆様。お買い物に参りましたわ」


砂煙の中から現れたのは、ボロボロの軍服に身を包み、血の匂いを纏った少女。 警護の暗殺者たちが一斉に飛びかかるが、アリシアはそれを見ることもなく、最短距離の正拳突きを繰り出した。


ドォォォォォォンッ!!


「ぎゃあっ!?」 「がはっ……!?」


暗殺者たちは、人間が放ったとは思えない衝撃波によって壁にめり込み、そのまま「装飾品」と化した。 アリシアは、震える手で銃を構える元締めに向かって、屈託のない、太陽のような笑顔を向ける。


「……さて。私のドレス代、貴方の命で払いきれるかしら?」


極悪令嬢による、悪の組織の「強制解体ショッピング」が今、幕を開ける。

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