第16話:【朗報】「考えるのやめた」結果、すべてが解決した件w 門番も商人も、まとめて物理で分からせるwww
【市街:再訪と門番の無礼】
ダンジョンを脱出したアリシアは、巨大な黄金の宝箱を担ぎ、銀の箱を抱えた少女を引き連れて、先日訪れた小国の街へと戻ってきた。 全身は返り血で固まり、髪は泥でベタついている。その異様な姿に、門を守る兵士たちが槍を交差させて道を塞いだ。
「待て! 怪しい奴め、その箱の中身を見せ……」
門番が言葉を言い切る前に、アリシアの右足が門番の脛を容赦なく粉砕した。
「……あ?」
アリシアは考えるのをやめていた。 説明の必要性、法律、手続き。そんなまどろっこしいものは、すべて「暴力」という名の真理の前に霧散する。 絶叫を上げてのたうち回る門番を踏みつけ、彼女は一言だけ言い放つ。
「通りたい。邪魔。死ぬ?」
あまりに純粋で、かつ逃れようのない暴力の二択。 もう一人の門番は、恐怖のあまり失禁しながら門を開け放った。
【質屋:強欲な査定と「誠意」】
アリシアはそのまま、街で一番大きい質屋へと押し入った。 カウンターに巨大な黄金の宝箱を叩きつける。重低音が響き、店の床に亀裂が走る。
「……これを、売りたい。高い金。今すぐ」
店の主人は、血まみれの少女と黄金の箱を見て、一瞬で「カモ」だと判断した。 彼は口元を歪め、わざとらしくため息をつく。
「お嬢さん、これは……意匠はいいが、呪いがかかっていそうだ。せいぜい銀貨三枚といったところ……」
ドォォォォォォンッ!!
アリシアの拳が、主人の鼻先のカウンターを粉々に粉砕した。 木片が主人の顔に刺さり、血が噴き出す。だが、アリシアの表情は一切変わらない。彼女は粉々になったカウンターの残骸を指差し、再び問うた。
「金。足りない。店、壊す?」
「ひ、ひぃっ!! 金貨……金貨五百枚!! いえ、八百枚出しますぅ!!」
主人は泣きながら奥の金庫へ走り、金貨の詰まった袋をアリシアに差し出した。 理屈による交渉は不要であった。恐怖と破壊こそが、この世で最も効率的で嘘のない「商談」であることを、彼女の拳が証明していた。
【路地裏:懐いた幼女と暴力の教育】
金貨を手に入れたアリシアは、適当な高級宿(の、一番良い部屋を暴力で奪い取った後)に向かおうとした。 後ろをトコトコとついてくる少女が、アリシアのボロボロの裾を引く。
「ねえ、お姉ちゃん……。暴力は悲しみしか生まないって、本に書いてあったよ?」
アリシアは足を止め、無表情に少女を見下ろした。 そして、路地裏で空腹に耐えかねて自分たちの金を奪おうと近づいてきた浮浪者の一人を、無造作に壁へ叩きつけた。
「……悲しみ? いいえ、これは『平和』ですわ」
アリシアは屈託のない笑顔で、金貨の袋を少女に預ける。
「殴れば、相手は静かになる。奪われなくなる。誰も不幸になりませんわ。これこそが、お母様が教えてくれた『善』の究極系ですのよ」
少女は、壁にめり込んだ浮浪者と、満面の笑みを浮かべるアリシアを交互に見比べ、静かに口を閉ざした。 どうやら、この少女もまた、極悪令嬢による「英才教育」の洗礼を避けられない運命にあるようであった。




