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第11話:【朗報】倫理観を捨てて「暴力」に全振りした結果w 元令嬢、一巡して悟りを開くwww

【真理の到達:一巡の果てに】


幼き日のアリシアは、母の教えを忠実に守り続けていた。 「暴力は決して振るってはいけない」。その言葉は、彼女の中に眠る異常な膂力を封じ込めるための、慈愛に満ちた鎖であった。


だが、軍という名の泥沼が、その純粋な倫理観を無残に粉砕した。 無能と蔑まれ、背中から裏切られ、爵位も名誉も、なけなしの銅貨さえも奪い尽くされた。 すべてを失い、どん底まで堕ち、そこからさらに突き落とされて死の淵を彷徨った。


絶望が世界を一巡し、アリシアは今、全く新しい真理へと辿り着いた。


「暴力は、善なんですわ」


それは、洗練された理論でも、積み上げられた地位でも、ましてや淑女としての嗜みでもない。 この理不尽な世界において、唯一、何者にも奪われない絶対的な事実。 彼女が握りしめた拳だけが、彼女にとっての「正義」へと変貌を遂げたのである。


【溝の底:無双の蹂躙】


アリシアは止まらない。 襲いかかる魔獣の群れに対し、彼女は防御という概念を捨て去った。 ただの一歩。ただの一撃。 魔力による加護も強化もない。しかし、彼女が腕を振るうたびに、大気は爆鳴を上げ、鋼鉄をも凌駕する魔獣の骨格が、枯れ木のように容易く砕け散る。


「あはっ……! 本当に、なんて素晴らしいのかしら」


アリシアの口元には、屈託の無い、あまりに純粋な笑顔が浮かんでいた。 返り血を頭から浴び、異形の臓物で軍服を濡らしながら、彼女は舞うように拳を振るう。 一撃で頭部を消し飛ばし、一蹴で胴体を真っ二つに引き裂く。 そこには、かつての公爵令嬢が守り続けていた「品位」の欠片も存在しなかった。


もはや、軍学の理論など必要ない。 王位継承権も、エングラムの家名も、淑女としての振る舞いも。 自分を縛り付けていたすべての鎖を、彼女は自らの拳で、粉々に粉砕してしまったのである。


【蹂躙の終焉:血の静寂】


数分後、溝の底に動くものはアリシア以外にいなかった。 あれほど執拗に彼女を追い回した魔獣たちは、今や名前も形も失い、壁と床を赤黒く彩る一部と化している。


アリシアは荒い息をつくこともなく、ただ静かに、血まみれの右拳を見つめた。 皮は剥け、肉は裂け、骨が剥き出しになっている。だが、彼女はその激痛を心地よい愛撫のように受け入れていた。


「……次は、あちらですわね」


彼女は、自分を拒んだ禍々しい扉を見上げた。 もはや彼女の中に「迷い」という言葉は存在しない。 ただ一つの目的のために、ただ一つの手段を行使する。 アリシアは、血の滴る拳を再び握り込み、地獄の門へと一歩を踏み出した。


彼女はもう、誰にも止められない。 すべてを失った「無能」は、一巡の果てに、暴力を唯一の光とする「極悪」へと昇華された。

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