Calamity Gate 第1章後編【記憶と夢】
リソースキューブの粒子技術は建築物にも使用されており、門の発生による破損や倒壊の早期回復にも寄与している。
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〈なんだこの姿は…〉
科学者たちの声が聞こえる…
〈薬は投与していたのか?!〉
〈制圧部隊を呼べ!〉
「…お姉ちゃん」
「…お姉ちゃん、起きて!」
アリシアの声に、シアリスは目を開ける。
窓からは夕暮れの光が射しこみ、キッチンの方から母の料理の音が漏れ聞こえる。
シアリスは部屋の床に座っていた。アリシアが正面に同じように座っている。
「ここは…家?」
シアリスは部屋を見回す。
「寝ぼけてるの?」
アリシアはシアリスの顔を覗き込む。
「もう…」
妹は腕を後ろに下げて何かを持っているようだ。
頭の奥で、警報音のような音が微かに鳴り響く。
「何か聞こえない?」
アリシアはもじもじと身を動かしながら答える。
「何も聞こえないよ?ってそうじゃなくて…!」
アリシアは後ろ手に持っていた物をシアリスへ突き出す。
不恰好にラッピングされた袋。
〈暴走している!〉
シアリスは袋を受け取る。
「くれるの?」
アリシアは照れくさそうに頷く。
「この前、私たちの誕生日だったでしょ?」
「お姉ちゃんにあげようと思って…でも…間に合わなくて…」
アリシアは悔しそうに横を見る。
〈助けてくれぇ!〉
〈うわあ!〉
シアリスが袋を開けると、中には手作りのブローチが入っていた。少し歪んだ菱形をしており、夕日に反射して光を返す。
アリシアは不安そうにシアリスを見る。
〈撃て!〉
〈すぐに再生してしまう!〉
「…ありがとう!すっごく嬉しい!」
シアリスはアリシアの目を見る。
「…よかったあ」
アリシアはポケットから同じものを取り出す。
「お揃い!」
アリシアは胸元に取り出したブローチを付けようとするが、上手くいかない。
〈研究区画は壊滅的だ…!〉
〈博士は無事か?!〉
「ほら」
シアリスはアリシアにブローチを付ける。
「ありがとう…!」
アリシアは嬉しそうにはにかむ。
激しい銃声。
「お姉ちゃんも付けて!」
アリシアに促され、シアリスはブローチを付けようと胸元を見る。
シアリスの身体は渦模様に包まれていた。
指先や耳は尖り、腰からは触手が尻尾のように二本伸びている。
シアリスの変異した手を、アリシアは小さな両手で掴む。
〈逃すな!〉
「お姉ちゃん」
〈この事は外部に漏らすな!〉
「お姉ちゃんが私のお姉ちゃんで嬉しい」
〈発見次第処分しろ!〉
「大好き!ずっと私のお姉ちゃんでいてね!」
シアリスの意識が現実へと引き戻される。
機関を脱出したシアリスは、都市の一画に辿り着く。辺りは静かで、古い建物や小さな孤児院があるだけだ。
傷は塞がっているが、痛みは消えない。
精神的疲労と肉体の度重なる損傷で、思うように動けない。
「あなた…」
不意に声が聞こえ、シアリスは振り向く。
一人の女性が、孤児院の勝手口から現れていた。
シアリスは逃げようとするが、意識を保つのもやっとだ。
女性はシアリスの姿を見て怯えを見せるが、同じように怯えるシアリスに、傷付いた子供の姿を見て彼女は身を引き締める。
「私はウスラ…」
ウスラはシアリスを孤児として迎える。
「うちへいらっしゃい、もう大丈夫よ」
シアリスの胸元には、歪な菱形のコアが水色に揺らめいていた。
読んでくださってありがとうございます!
シアリスの夢、回想、幻覚…
現実と非現実の混ざり合う描写。
どうでしたか?
分かりにくい!読みづらい!てなってないか心配です。
けれど、そこを含めて怒涛のスピード感にしたかったです。




