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GateFragments  作者: 悠蛹
第1巻 Angelblood―血の支配―

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1/26

Angelblood 序章【天使の血】

Angelblood完結記念コンテスト開催!

2025.12.15〜2026.01.31


Xのポストにて詳細をご確認ください。

悠蛹(@snghrk2414)

挿絵(By みてみん)


 数十年前、翼を持つ無垢なる存在が、門と呼ばれる光の穴を通って落ちてくるようになった。

 人々は彼らを天使と呼び、人間と天使は一時、共存していた。

 天使の外見は人間にとても似ている。

 陶器のような肌に、光を通す白い毛髪。そして、その背には白い翼が生えている。

 彼らは門より現れた瞬間から、時が経っても老いることなく、その姿を保った。


 門の出現に法則性は無く、突如現れては天使を排出し、消滅した。

 

 ある時、天使が怪我を負い血を流した。

 そばにいた人間の男が、天使の出血を止めたが、彼は止血に使用した布に抗えぬ渇望を覚え——その布を顔に近づけた。


 天使の血――

 摂取することで、あらゆる怪我を治癒させることができた。

 それだけでは無く、継続した摂取で若さを保ち、寿命を伸ばすことすら可能とした。

 それは同時に、人間の内面の欲や醜さを表出させる中毒性を持つ液体だった。

 彼らが人によって支配されるまで、時間は掛からなかった。

 天使は奴隷となり、富の象徴、血を搾取するための家畜やワイン樽のように扱われる。

 ――天使は狩られ、消費される存在となった。

 

 ***


挿絵(By みてみん)

 

 辺境の村近くにある森――

 人の音は聞こえず、植物や動物の息吹だけが森を満たす。

 木々の隙間からは光が漏れ、白い花々が咲く地面に反射して森を照らす。

 空気は神聖さと不気味さを孕み、村の子供たちも普段は近づかない。

 少年――デプラだけは、ここを遊び場にしている。


 母子家庭で貧しい家庭のデプラにとって、村で友達を見つけるのは簡単ではない。

 自然と、人の寄りつかない森が、彼の遊び場になった。

 デプラは石や木の枝など、地面に落ちる手頃なものを見つけては拾い集め、木々の奥、遠くに見える木の洞を狙って投げる。

 

「……」

 集中すると、手に握る礫の感触と、森の静寂だけが感じられる。

 その間、デプラは森に溶け込み、孤独を忘れる。

 的に礫が当たると、デプラは再び森と引き離されるのだった。


 ――デプラの背後で、空気が震えた。

「……え」

 

 振り返ると、森の花畑、デプラの目線より少し高い位置で、空間が裂けている。

 裂け目は異質な光を帯びており、まるで別世界に繋がっているように見えた。

 デプラがおそるおそる近づくと、裂け目から人の姿が現れる。

 それは少女の容姿をしていた。

 背丈はデプラよりも少し大きい。中性的な短く白い髪が、左右の耳の上あたりで外に跳ねている。

 少女は、脱力したまま裂け目から倒れるように落ちる。

「わ!」

 デプラは反射的に駆け出し、落ちてきた少女を受け止めた。


挿絵(By みてみん)


 周囲に白い花弁が舞い、二人を包む。

 少女は何も纏っておらず、その背中には白い翼が生えていた。


 少女は閉じていた目をゆっくりと開ける。

 少年の視線は、彼女の瞳の中にある青へと吸い込まれた。

「君は?」


 デプラの問いに、少女は口を開く。

「……ファルム」


 森は静まり返り、彼女の声とその青い瞳の視線だけがデプラに届く。

 少女は不思議そうに周囲を見渡している。


〈このまま森に放っておくわけにもいかない〉

 デプラは彼女に自身の上着を着せ、家へと連れ帰る。

「ついて来て」



 ——デプラは天使を知らなかった。

 

初めまして、悠蛹(はるかさなぎ)と申します。

普段はピクセルアートを描いています。

執筆初挑戦となりますので、読みづらかったり、誤字脱字などあるかと思われます。


私の中にある"物語の哲学"をカタチとして表現できるように頑張ります。

もしよろしければ、反応やコメントで応援よろしくお願いします!


天使ファルムのイラスト

挿絵(By みてみん)

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