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9.答え合わせ

子供の名前はルークです。

今更です。


見ていただけるのも評価も本当に嬉しいです。

物語も終盤飽きずに読んでもらえたら幸いです。

「やっぱり貴方だったのね。でも色が違うし声も違うわ。どういう事?」


冷静になって来ると、ほんの少しの怒りが燻ってきた。


「君を追う為に、髪の毛と目の色を変える薬と声を変える薬を飲んだ。

もうすぐ効果が切れるらしい」


大きな体を縮こまらせ、肩を落としたガロンがぼそぼそと話す。


「声が小さいわ。はっきり答えてちょうだい。

冷やかしなの?馬鹿にしている?」


普段から淑女として感情的にならない様に気を付けていた。

でも今は違う。

段々と閉じ込めていた感情が、熱が加熱していく。


ゆりという前世の記憶があるからだろうか。

性格にも影響があるのかもしれない。


ここで、事実をはっきりさせなければ、という想いが彼女を突き動かす。


「そもそも貴族間の結婚で愛人を作ることは禁止されていないわ。

私は子供を産むという義務は果たしたし、私達には夜の生活もない。

愛人を作る権利はあるはずよ」


ずっと、我慢してきた。

溜まった物が噴出し、少し鼻息が荒くなってしまったのも仕方のない事である。


「も、もちろん、一般的にはそうらしいな…、だが、駄目だ!」


はっきりと言い切るガロンに、語気が荒くなるのを止められない。



「はぁ?何で?」


何を馬鹿なことを言っているのだろう。何故そこまで制約されなければいけないのか。


「駄目なものは駄目なんだ!俺が嫌だから…!」


思いがけない返答に忽ち一旦停止するリリーシス。


聞き間違いかもしれない。



「え、嫌だからと言いました?何故?

体裁とかそんな事言うなら、燃やしますけど?」


〇すは言い過ぎなので、オブラートに包んで、燃やすに変換する。

どこをとは言っていない。


「嫉妬に決まっている。君が愛人を作るなんて想像するだけで、震える!許さん!」


握りしめた手がわなわなと震えるガロンの勝手な言い分に、

怒りが染み出ていくのを抑えられない。


「今更、何?私の事女と見ていないでしょ?元々ほぼ皆無だったけど、愛の言葉を囁くことも、キスも、夜の営みも…

もう数年()()いませんよね?」


今まで言えなかったが、勢いで言い切れる。


「君はいつも美しい。

初めて会ったころから変わらず。

女として見ているに決まっている!当然だ」



「では何故?夜伽がないのですか!」


「そ…それは、君は体が小さくて、難産だっただろう?出産の時にはたくさん血が出てぐったりしてた。

いつも、()()時も顔を歪めていた。俺は何もかも大きいから、痛かったんだろ?」


「もう医者のお許しも出てました!

私はがんばって何度も誘いました!


()()時は淑女らしく、声が出ないように耐えていただけです!

それに接吻(キス)抱擁(ハグ)すらしないじゃないですか」


「…そうなのか?知らなかった。誘ったことなどあったか?

伽は君に負担をかけると思ってたんだ。

そういう性的な触れ合いは、その…欲が…我慢できないと思って避けてた。

すまなかった!」


「今更…何を!もう決めたんです!

私が求めているのは『性欲強めで情熱的な優しい愛人』なんです!」


「俺がなろう!君の愛人に。俺は武骨で不器用で言葉遣いも貴族らしくない。

だから会話も気にして出来なかった。

でもジェイクに習った!『髪がきれいだ!目がきれいだ!』とか言うんだろ?そうだ。いつも君に思ってることを口に出せばいいんだろ?俺にもできる。

性欲は強いし、騎士だから体力も馬並みにある。

ずっと優しくしたいし、甘やかしたりもしたかった。

俺じゃダメか?」


なんか聞き捨てならないことが多々あったと思う…

眩暈がするのは慣れない夜会だからとか、夜更けだからというわけでは無いはず。

くらりとする私を置いて、ガロンは勢いよく続ける。


「君は高貴で、きれいで、優しくて、賢くて、エロくて、特に背中がいい。

小ぶりな胸もかわいい。声もいい。

髪とか目とか口とか全部いい。

かわいいしきれいだし全部全部好きだ。

本当は毎日抱きたい。リリーのおっぱいはルークのじゃない俺のもんだ。

ああそうか、夜の()()()も練習した!

リリーが復習してくれればできると思う。

体使うのは得意だ!」


『…もう、どこから突っ込んでいいのやらわからないわ。

こんな性格だったかしら?

キャラ変?ガロンにも前世の記憶が?』


などと、目は驚愕で開かれ声も出ず、脳内は混乱を極めていた。


「…なっ?な…??何なの?!」


口から形になって出たのはそれだけで、顔をドレスにも負けぬくらい真っ赤にして顔を覆う。

リリーシスの仮面は目元だけのものだったが、手で口元を覆っても、

耳や首は隠れていない。


「真っ赤な小さな耳がかわいい。

むしゃぶり付きたい。仮面越しじゃなく君が見たい。

可愛い顔が見たい。君の目が見たい。

触りたい。押し倒したい。

好きだ」


ガロンは追い打ちをかけるように()()を口にして、

私にグイグイと寄ってくる。

その勢いに負けて、後退していくと、もう後がなく、足が引っかかり、ベッドに仰向けに倒れてしまう。


ガロンは上に倒れこんでくると大きな手を伸ばし、仮面を奪う。


「やっぱり。リリーシスだ!好きだ。

顔が真っ赤だ。かわいい」


こんなにガロンのふにゃふにゃした笑顔など見たことは無い。

本当に本当かもしれない。

そう思うと顔に血が集まるのを止められない。


顔から火が出るとはこういう事だろう。


恥ずかしくて、顔が緩んで顔を隠したいのに、ガロンに手を絡め取られて隠すこともできない。

せめてもの抵抗で顔を背けるが、何の意味もないくらい分かっていた。


「好きだ。キスしたい!ずっと我慢してた!」


顎を取られたかと思うと、

ガロンの顔が近づいて来る。

吐息がかかるほどの距離になった時、

ハッとしたリリーシスは叫ぶ。


「ダメよ!貴方は赤の仮面の男であくまで()()()()なの!そんなに軽々しく唇を許す訳ないでしょ?

私を全力で口説き落としたら、考えてあげるわ」


そう、リリーシスは虚勢を張った。

本当は飛びつくくらい嬉しかったが、

それではまた同じ轍を踏むかもしれない。

これまでの経験から臆病になってしまった。


「そうだな!時間はたっぷりある。俺も色々学んだから強くなったしな。

自信はある。リリーへの愛なら負けない」


これが本来の姿なのか、どうなのかまだ分からないが、夫は目を爛々と輝かせ、リリーシスを見る。


このポジティブさとバカさと素直さが本物なら、きっと私達は大丈夫。

そう思えた。


「なら、がんばってちょうだい()()()()

私は夫と子供が待つ家に帰らなきゃ。

さぁ、帰りましょう」

結局長くなってしまいましたが、ついてきていただけたでしょうか?

あと最後に次のエピソードでまとめをしたらおしまいかと思います。

最後までお付き合いいただけたら嬉しいです!

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