10.それからの2人は
お読みいただけて、評価、リアクション…とにかく感謝です。
あれからガロンは真面目に(?)口説いてくれている。
こんな性格だったなんて知らなかった。
私も意固地になっていたのが馬鹿らしくなるほど、
感情=言語化が続いている。
「好きだ」「かわいい」「キスしたくなる」「触りたい」「抱きしめたい」「きれいだ」「君と結婚できて幸せだ」「君がいないと寂しい」「仕事に行きたくない」「くっついていたい」などなど…
語彙力はないに等しいので、バリエーションはなく、
正直ロマンチックとは程遠いのだけれど、これはこれでありという気持ちになってきた。
大型の犬(見た目は熊)の様で、私を見れば駆け寄ってきて、嬉しさでぶんぶん尻尾を振り、
何か悲しい事があればしょんぼりしているのがかわいい。
何よりも目が雄弁で、
今までよく周囲や私を騙し、寡黙で冷たい性格だと思わせていたな、と思うほどだ。
今はもう、言葉でも態度でも全力で愛情や欲情まで伝えてくれる。
恥ずかしくて堪らないのだけれど、傷ついた心と傷ついたプライドが癒される。
まだ私たちはあれから体を合わせたりはしていない。
でも、もうそろそろ口説き落とされて、私の探し求めた
『性欲強めな優しくて(実直で愛すべきちょっとおバカな)愛人』
が爆誕するかもしれない。
私は明るい日差しの中で歩き出す。
庭で遊ぶ息子はしゃがんで目をこすっていた。
「あら、ルー?眠そうね。お昼寝する?かあ様のひざにおいで」
ルークを抱きしめ、お腹に抱える。
「かぁたま。…ねむぅ」
かわいい!
ふくふくのほっぺにキスをしていると、
後ろから太い腕がにゅっと現れ、ルークごと抱え込まれる。
「ルークにリリーの膝の上は譲っても、リリーを膝の上に乗せるのは俺の特権だからな」
眠くて目も開かないとろんとした様子の息子に、呟くガロン。
何を言っているのかと呆れつつも、
リリーシスはその嫉妬すらかわいいと思ってしまう。
そんな風に頬が緩んだ自分も、やっぱり重病だと気付く。
『2度も同じ病にかかるなんて、人生どうなるか分からないわね』
そう思うと、リリーシスはほんのり赤くなった頬に更に深く笑みを浮かべた。
これにて一旦完結になります。
ジェイクとガロンのエピソードは書いてて楽しかったので、番外編も書く予定です。
もちろんリリーシスとガロンも…。
初投稿な行き当たりばったりの稚拙な文章でしたが、もし最後まで読まれた奇特な方が居たら、もう感謝しかございません。
ですが更に奇特な方はポチッと評価して、リアクションしたくなる事でしょう…(願い)
…番外編へ続く(予定)