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読者の皆さまへの感謝!

 『長安の春、傾城の恋』の物語は、以上となります。約半年の期間の連載となりました。


 約半年と言っても、物語の完成は、必ずしも順調ではありませんでした。作者にとって本作は、さまざまな点から挑戦したものとなったからです。


 人間のきわめて私的な性文化に関する意見を提示することと、混乱しつつある社会情勢との対比を描くことは、作者自身の内面を引き裂くような体験となりました。この二つの要素の間に横たわる生活の断絶のようなものが、本作の登場人物たちが抱える葛藤そのものだったのではないでしょうか。この葛藤によって、何か深い洞察を含む物語を提示できたのではないか、と作者は考えております。


 前作とは違った形で、読者の皆さまには、ひじょうに労力をおかけする物語となってしまいました。最後までご愛読いただいた方々へ、何よりの感謝をお伝えします。本当にありがとうございました!


 本作の主人公である薛不習は、作者にとって何か特別な性格と思想を宿した人物となりました。古代の性文化の考証を通して、薛不習という人物は浮かび上がってきました。社会の価値観に対する私かな反抗の意思を含む人物として、薛不習は行動しました。作者は彼女の心理の全てを理解したとは思えません。しかし、薛不習には、人間心理のとても大切な、一つの展開を持つ存在だったのではないか、と考えます。作者は、薛不習という人物によって大いに考える機会を得ることができたのです。


 読者の皆さまにとって、この物語は、どのように受け止められたでしょうか? 何かしらの良い影響を与えることができたのなら、僭越ながら、作者としてこれより嬉しいことはありません。


 作者は、登場人物の全員に思い入れがあります。呂氏という男性像は、その性格の自堕落さによって、言い様のない艶めきを有するような人物として、作者の関心を引き寄せ続けています。しかし、もし本作での誰か特別に愛好する人物を挙げるのなら、梅玲になるでしょう。彼女の感情は、職務において徹底的に秘匿されています。しかし、感情は言行によって表されなくとも、時として雄弁なものです。わたし達にとって、梅玲の呂氏への想いは、いじらしいほどに誠実なものとして映ります。作者は、この誠実さがとても愛らしいものに感じられるのです。


 長々しいご挨拶となりましたが、最後に改めて読者の皆さまに感謝をお伝えしたいと思います。次作の構想はいくつか用意しています。また、必ず読者の皆さまとお会いできることを楽しみにしております。お読みいただき、本当にありがとうございました!


   川合かな

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