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怪奇の夜明け  作者: 望月響
不穏な世界から離れて
49/51

知識眠る街〜散策〜

読みに来てくださりありがとうございます。短い駄文ですが楽しんでいってくれると嬉しいです!

「さってと!今日も行こっか!」


そんな、ちょっと楽しそうな結衣の声に釣られて校門から今日も足を踏み出す。

いつもの如く光に包まれ、次に目を開けた時にはまた見覚えのない場所に立っている。


「ん。ここは…?」

「どこだろ?あんまり見た事ない。」


警戒しつつ周りをさっと見渡してみる。すると目に映るのは二軒の書店だった。どちらとも看板は若干寂れており、少なくとも最近できたものではないらしい。もはや走る車もないのに動いている信号を無視して道路を渡っている途中で死角になっていた方向に眼を向ける。


「あ…すごい」

「すごい…ですね。」


右を見たら書店。左を見ても書店。自分たちがきた方向に眼を移してみればそちらにも書店。そしてその多くが近年できたわけではなさそうな外観を持っている。ここはきっと古くから多くの本屋で栄えてきたのであろう。


「ちょっと歩いてみよっか。」

「あ、ちょっと結衣!」


歩いてみようといいながら、かなりの早足で自分の興味がの惹かれる場所へと歩いていってしまった。


「ちょっ…まっ…ゆいぃ…」

「あ…あれ?そんなに早かった…?」


普段からそれほど運動をしていなかったらしいありすが息も絶え絶えになってようやく結衣の高速競歩が止まった。自身もかなり疲弊してきていたために助かったとばかりに息を止める。

後ろのあまりに悲惨な光景に若干顔を引き攣らせながら結衣が微笑(わら)う。


「でもほら、面白そうだよ?」


そう言って結衣が目線を送った先には金属製のフレームに若干古びた板が貼り付けられたようなカートがあった。そこに積まれていたのは多くの古書だ。古書と括れど、その種類は様々である。本の種類がわかるだけでも小説、理論書、新書、古典文学の解説なんてものもある。さらにはもはやいつのかわからない雑誌もある。

金属製の棚にも大量の本が横積みされていた。こっちはセット販売のなのか紐で括られている。


「古書…あちらにあるのは…日本書紀の日本語訳。」

「あ、源氏物語のやつもあるよ!」

「やっぱりぶ厚いです。昔の人はよく手書きでこれだけ字が書けますよね。私だったら疲れちゃいますよ」

「しかも内容もずっと先まで残るくらい面白いんだし、登場人物すっごい多いのもあるし今も昔も小説家ってすごいんだね。」

「いつの時代も何かを極めた人っていうのはかっこいいですからね」


隣の店に足を進めれば、今度は鬼の如き量の文庫本が古びた木製の棚に詰められている。


「あ、こっちの箱のなか。よくみると文庫本じゃないよ?これはDVD?」

「いえ、これはもしかしてVHSじゃないですか?ビデオテープって言ったほうが分かりやすいかもですけど。ほら、貞子とかが呪いを付与したやつです」

「おぉ…ってことは古い映画とかなのかな。全部見たことないからなんとも…」


他愛もない話を繰り返しながら周辺の散策を続けるが特に何も見当たらない。


「どうしよう。私たちこのまま帰れなかったりする?」

「まさか…きっとどこかに何かありますよ。いつもそうだったんですから」

「じゃあちょっと戻ってみようか。」


そうやって一番最初のところの近くにあった書店も見てみる。が、特に何もない。そこの書店は古書店というよりは本屋であった。

総当たりとばかりに、本屋の近くにあった薬局の隣の古書店に入ってみる。そこには何かあるかも…。


「ちょっと待って!!お二人さんとまって。どうか…とまって…。」


急に顔を赤くした結衣が振り返って少年たちを止める。


「結衣…急にどうしたんですか?そんなに慌てて」

「私たちが入っちゃダメなところだこれ。引き返そう。今なら間に合う…」


そんな結衣の後ろをチラッと覗くとそこには明らかに露出度の高すぎる女性や男性の写真が見えた。よく見て見れば店内の本が若干肌色からピンクによっている気もする。なんだか結衣の顔が赤い理由に察しがついた。


「……?」

「ありす、良いから戻ろう。ここには何もないよ…そう信じよう。」

「理由は分かりませんけどそんなにいうなら…」


結衣と曖昧な笑みを交わして店を後にする。


「何にも手掛かりがないね。もう少し探してみよっか」

「えぇ。解決しないことには私たちも元の生活には帰れませんからね」


そうして三人はまた古書店街を歩き出した。

読んでくださりありがとうございました!

よければ忘れないうちに評価をお願いいたします…

してくださるとめっちゃ喜びます。

気に入っていただけてお時間があったらで構いませんので感想やブックマークもぜひお願いいたします!

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