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怪奇の夜明け  作者: 望月響
不思議な旅は終わり無く
39/51

見えぬ者と見たかった物

読みに来てくださりありがとうございます。短い駄文ですが楽しんでいってくれると嬉しいです!

「どうした…の?凛ちゃん?直してもらったんだよね…?眼…」

「えぇ。しっかりと。もう見えませんけれど。」

「どういう…こと…?」

「言葉の通りですわ。彼の本のおかげで傷は治りましたけれど、いくら本でも完全に失われたものは戻らないのです。」

「…っ。どうしてそこまで…」

「わからないのですか?わたくしはもう仲間を失いたくないのです。」

 

なんともないような表情で口にする凜のその口には何かを成し遂げたとき特有の達成感のような笑みが浮かぶ。


「ひぐっ…うっ…ありが…と…」

「泣かなくてもいいじゃありませんか…わたくしまでちょっと……っ…」

 

肩を抱き合い涙を流しあう二人のそばで少年は一人、悔しさを胸に唇を嚙む。自分の治癒能力すらもすべてを癒せるわけではなかった。あの時自分にあと少し力があれば、凜は自身を犠牲にしてまで違う本を使わなくてもよかったのではないか。

 

「ありがとう。あなたたちのおかげで私の使命は剝がれた。守る対象がもういないから。これで案内できる。」

 

今まで端から静観していた少女が口を開く。

 

「で、あなたたちはちょっとこっちに来た方がいいかも…?」

 

涙を拭いた二人と少年は少女の手招く方に行くと少しして先ほど斬った化け物の断面から急に霧が噴き出す。

 

「なんですの!?これ大丈夫でして!?」

 

そういえば、ずっといたような気もしていたが凜は異界を消し去るのは初めてだ。確かに不安になるかもしれない。だがこれでいいのだということを伝える。

 

「そ…これでありすのところにいける…」

 

まだ涙の余韻の残る結衣の一言は重さが戦闘をする前よりさらに重い。

 

「結衣さんたちが命を懸けてまで助けに行く相手が一体どんな人なのかこの右眼で確認しないとやってられませんわね。」

 

こちらの発言の重さはさらにやばい。正直かかるプレッシャー的なのはこっちのが数百倍ぐらいデカい気がする。だが、皆の意思が統一されたこの仲間であればありすをきっと助けられるはずだ。

霧はさらに濃くなり、そして景色は次第に見えなくなる。今度は見えない時間が今までよりも数段長いようだ。

数分ののち視界はゆっくりと晴れる。あたりの景色は今までと全く違う様子だ。

あたりはいくつかのショーケースが並び、作品が展示してあるようだ。壁も床も木目調になっており、今までの無機質なタイルとはまた全然毛色が違う。


「!!!!!!!!!!!」


 結衣の目に途端に光が燈る。


「どうされましたの?結衣さん?」

「これは…やばい」


あたりを再度見渡してみてなるほどと納得する。どうやらここはドールと呼ばれるものの販売店であったようだ。飾られているのはどれもこれも超有名作品のドールたちだ。最近有名になったエルフものアニメの主人公、片目に眼帯をつけた隻眼の魔法少女、ミステリーサウンドノベルの制服少女、とある金髪吸血鬼の真祖などなど、売り物を見るにどれも素体は大体同じらしいが、どうしてこれほどの差異を生み出せるのか、ただただ感嘆の息を漏らすばかりである。

 

これは確かに状況も忘れてしまうほどに素晴らしい作品たちが並んでいる。店内をくまなく歩きまわってみれば、どうやらここはドールの専門店らしい。ウィッグやキャラの衣装、素体などたいていのものがそろっている。また、どうやら自身のドールを持ち込んで撮影することも可能らしい。なるほど。始めたら沼りそうな趣味だ。

 

少し名残惜しそうな結衣を引っ張って隣の店を見ると今度はだいぶ色が黒によっている。よく商品を見てみれば売っているのは、ガスマスク、ライフル、マガジン、サブマシンガンにたくさん並ぶハンドガン。一瞬焦るがどうやらすべてエアガンのようだ。

 

「これはエアコキ、これは次世代電動、こっちは…ガス…え、ガス駆動のKar98kなんてあるの!?」

「?????」

 

完全に置いてけぼりだ。結衣の高速詠唱についていけているのは結衣一人だろう。何とか言葉の端々を拾って何とか理解したところによると、どうやらエアガンの弾の発射の仕方の話らしいがまったくもって理解できない。何が違うというのか。というか結衣の趣味は多岐にわたりすぎていてもはや何が趣味なのかわからない。

 

先ほどまでの湿っぽい空気は何だったのかというほどにこの状況を忘れそうになる。自分くらいはしっかり警戒をしておくべきかと周辺警戒に頭のリソースを割く。

 

「人ってこんなに簡単に変わるんだね。」

「はぁ…ふつうの人はここまでコロっと変わりませんわよ…勘違いしないでくださいまし…」

 

もはやポカーンとしてついてくるだけの少女の一言に諦めの境地に達したらしい凜はあきれ気味に返す。グダグダと前の失敗を引きずられるよりはよっぽどましなのだろうがここまで変わり身が早いとそれはそれでどうなのかと突っ込みたくもなる。

 

このまま一周したら結衣の熱も冷めるだろうと少年も一旦は結衣の熱量に負けついていく。

読んでくださりありがとうございました!

よければ忘れないうちに評価をお願いいたします…

してくださるとめっちゃ喜びます。

気に入っていただけてお時間があったらで構いませんので感想やブックマークもぜひお願いいたします!

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