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怪奇の夜明け  作者: 望月響
不思議な旅は終わり無く
33/51

怪奇。仲間。前進。

読みに来てくださりありがとうございます。短い駄文ですが楽しんでいってくれると嬉しいです!

 「はぁ!?」


 そりゃそうだ。案の定素っ頓狂なことを言い始めた。

 

「わたくしはもうここまでで仲間も友人も失ったのですよ!?そんなわたくしにまた戦いに出ろというのですか!?」

 「うん。そうだよ。でもさ、ここにいてまた死を待つよりはよくない?ほら、私たち3つくらい異界滅ぼしてきたプロっちゃプロだし?」

 

校長の力が大きすぎるだろという突込みは捨てて結衣の説得を待つ。正直戦力が足りないのは大きな問題だった。何より嘘はついていない。

 

「っ…。それでもまた仲間を作るのは失う危険を背負うということですわ…。また一人残されるのはいやです…。」

 「そっか。まぁ凜がここに残るのは別にいいけどさ。私たちが行ったら今度こそ独りぼっちだよ。校長先生から聞いたけど、あなたたちと一緒に出て行った第一陣はほとんど帰ってきてないらしいし。私たちがほぼ唯一だよ?ず~っとこうやって異界攻略に動いてるのは。」

 

心を追い詰める手法で口説き落とそうとしている。正直その類の説得法は好きではないのだが背に腹は代えられない。何よりたぶん結衣のそれは一番効果的だろう。

 

「大丈夫だよ。私は…まぁあれだけどあそこの少年君は回復系の本だし、何よりあの子自身が戦闘力化け物だから。」

 

急にハードルを上げられ焦るが認められてるのは悪い気はしない。凜に笑顔を向け手を振って愛想のよさを示してみるが、効果のほどは不明だ。

 

「…そこまで言われてしまっては仕方ありませんわね。いいでしょう。」

 

凜はすっくと背筋を伸ばして立ちあがる。

 

「ただし。わたくしを守りなさいね?わたくしはどう頑張っても援護しかできませんから。」

 

少年は凛の目をまっすぐ見据えうなずく。結衣もはいはいと聞こえそうな感じでうなずいている。そのまま数十分、証拠代わりにどんな異界でどんな敵と戦ったなんかを話し、いよいよ次の階へと。

 

「よっし。いこっか!」

 

これまで食べていたものをパパっと片付け、結衣はテーブルかけをしまう。

 

「本当に便利な能力ですわね。」

 「これだけじゃないけどねぇ…」

 

『関東Byteショップ』を後にした三人は目の前にあった『若松通商』の中にざっと目を通しその裏側にあった階段を上へと向かう。

やはりというか、案の定というか、五階に足を踏み入れた瞬間には退路はなくなっている。

 五階は今までとさしたる変化はない。電気や無線といった名前が多いのはそうだが何より見たことある店名多く見受けられる。『サトームセン』や『小沼電機』『第一家庭電器』などがその筆頭だ。一応、まるっと見て回ろうと、歩き始めて少し。不思議な音がこの先から聞こえる。

 うめき声のような。服がすれるような。裸足で歩くような。いくつかの音。

 

「お二人とも。気をつけなさって。“動いてはならない者(ゾンビ)“ですわ。」

 

その一言を皮切りにお散歩のごときマインドで歩いていた二人は精神を一気に戦闘用へと持っていく。そして二人とも本を片手に取り少年は金の箱をかざす。

 

 『「北風さん。テーブルかけは返すから、粉を返してよ」北風は言いました。「困ったな。では杖をやろう。」』

 

少年の手には今やナイフでも白鞘でも脇差でもない本当の太刀が握られている。箱が今の少年ならもう振れると判断したのだ。

二人はある程度警戒しながら前へと進む。後ろの凜は二人を試すつもりなのかそれとも単純に戦闘に参加できないのかついてきているだけだ。

角の先。覗いてみれば、幾匹かのゾンビがふらふらと歩いている。これならばと二人は前に出る。

一手目はもちろん結衣。最初よりも目に見えてよくなったフォームで杖を投げる。


「杖よ杖!悪い奴をぶん殴れ!」


ある程度の威力をもってすっ飛んでいった杖はゾンビを一体ぶっ飛ばす。


「ひっさびさに激しめの運動の時間だねぇ~!」


結衣の楽しそうな声とともに少年も飛び込む。戦闘開始だ。


読んでくださりありがとうございました!

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気に入っていただけてお時間があったらで構いませんので感想やブックマークもぜひお願いいたします!

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