明朝の空に凛と輝いて
読みに来てくださりありがとうございます。短い駄文ですが楽しんでいってくれると嬉しいです!
怪訝そうな結衣の視線を受けつつも少年はその何かに向かってにじり寄る。刀の柄を握り何かに向かって進む。もし、敵であれば即座に刀を振る用意だ。
角にたどり着き、恐る恐るとその先をのぞき込むと…
「うひゃぁ!?」
お互いに驚き反射的に距離をとる。その瞬間を狙って一気に抜刀。対面する。目の前にいたのは腰を抜かして倒れている自分たちと同じくらいの普通の少女だった。だが、異界であるのならばその相手を警戒してしかるべきだ。何かが化けている可能性だって捨てきれない。
とりあえず尋問がてら、刀を下ろさず距離を詰める。相手方は恐怖からかもう動けていない。だが途中で後ろから肩に手をかけられる。
「ちょ~っとストップ。あれ。」
結衣がまじめな顔して指さした場所には本。見覚えのあるしっかりと製本されたものだ。つまりこの少女は…。確信して刀を下ろし近くに投げてしまった鞘に納める。
「ごめんねぇ~怖がらせちゃったみたいで。だいじょうぶそ?」
少年が刀を箱に戻す間に結衣はもうアフターケアにかかっている。行動が早すぎる。声をかけられたことで少し動揺が解けたのだろうか。少女が急に口を開く。
「ちょっと!急になんですの!?物騒ですわ!」
まさかのお嬢様口調。絶対に現実にはいないと思っていたが、まさかの目の前に参上だ。
「いやぁ…ごめんねぇ。その制服と本ならわかってると思うけどさ。この異界で急に出会ったら警戒せざるを得ないんだよ。」
「っ…その通りですわね…」
「で。なんでこんなところに一人でいるの?」
「話せば長くなりますわ。よろしくて?」
「ふぅん。じゃあちょっと休憩がてら話を聞くよ。ちょっと疲れたしね。君もそれでいい?」
少年もいささか疲れを感じていたところだ。ありがたくその提案に乗る。承諾と同時に結衣は本を開きテーブルかけを広げ軽食と温かい飲み物を作り出す。その光景を見たお嬢様の目があからさまに輝いた。
「あい。じゃ、話聞かせてよ。」
「もてなされるというのでは仕方ありませんね…!」
いささかテンションの上がったように聞こえるお嬢様の話を要約すればこうなる。幾人かの仲間と第一陣の組としてここに来たが、ここより上の階で巨大な怪物に襲われて撤退しようとしたが、知ってのように道が塞がれて撤退に失敗。お嬢様の友人の本の能力でこの一つ上の階まで下がってきたものの、その友人は身を挺して本の能力でお嬢様をこの階まで逃がしてその後の消息は不明らしい。
「なぁるほど。道理でこの階まで全く敵っぽいのがいないわけだ。」
「えぇ。この辺の階にはなんだか気持ち悪い巨大な芋虫のようなものがたくさんいましたわ。」
「ふぅん。芋虫ね。」
お嬢様の話を信じるならばこの先に本を有する幾人かで戦おうとも手も足も出ない何かがいるのだろう。だが、突き進むしかないのも事実。どうせ帰れもしないのだ。もちろん異界だから本で撤退もできない。経験値でどうにかするしかない。
「ねぇ…えっと…お嬢様?呼びにくいから名前教えてくんない?」
「貴女はいったん言葉遣いを何とかしたほうがよろしくてよ。」
「無理だねぇ…多分一生治らないと思うよぉ~?」
「はぁ…口論する気も起きませんわね。名前は凛よ。東雲 凛。覚えたかしら?」
「もちろ~ん!凛ちゃんだね!よろしく~」
「反論の気力も起こらないほどすがすがしい呼び捨て…。まぁいいですわ。ではわたくしからも質問させてくださいませ。」
「なにぃ?答えられるのなら答えるよ?」
「なぜあなた方はわざわざこんな危険な地に来たのですか?あなた方が来なければわたくしはあと幾日かで餓死していたところですから助かりましたけども…。」
「私たちはねぇ。この異界を作ったやつが私たちの友達を洗脳するか何とかして連れてっちゃったから助けに来たの。」
「友達のために?命を懸けて?」
「そ。そういうもんでしょ?友達って。違うの?」
「…そうかもしれませんわね。その決まりきった覚悟には脱帽ですわ。」
その言葉を聞いた結衣が思いついたようにポンと手をたたく。こういう時はどうせろくなことは起こらないのは100も承知だ。身構えていると…
「ねぇ。凛。私たちと一緒に来ない?」
「はぁ!?」
読んでくださりありがとうございました!
よければ忘れないうちに評価をお願いいたします…
してくださるとめっちゃ喜びます。
気に入っていただけてお時間があったらで構いませんので感想やブックマークもぜひお願いいたします!




