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怪奇の夜明け  作者: 望月響
不思議な旅は終わり無く
30/51

過去の記憶を残せし迷宮

読みに来てくださりありがとうございます。短い駄文ですが楽しんでいってくれると嬉しいです!

 電気街口。一度来たときは明るい街で、人の気配があるかもしれないと思った世界は今や不気味なものに見えていた。

 ありすは囚われ残ったのは二人のみ。何時間と楽しく散策したあの町はもうここにはない。不気味な敵の首魁のいるはずの町のみ。


 「でも…もう探してないところなんてないよね…?」


 そうなのだ。3人で何時間とこの街を散策した。行ってないようなところはもう思いつかないし、実際ないだろう。

 しかし、動かずに考えてばかりいてもしょうがないのも事実だ。仕方なく一歩を踏み出す。だがこれは当てのない旅。食料はあれど、終わりのない旅に気力が持つものなどそう多くはない。

 だが、終わりのない旅を続ける理由を見出すことはできる。


 “ただ友人を救いたい”


 彼らが旅を続ける理由などその一つのみで構わなかった。友人が困っているなら助ける。支配されているのならば、解放する。泣いているならば、慰める。なんて単純で、それ故、なんて難しいことなのだろうか。

 しかし彼らにとってその一点のために心血を注ぐその旅路は、まったくもって苦難などあろうはずもない。

あの明るい笑顔のために。いつもの日常に不可欠になったあの人のために。二人だろうとそのためならいくらでも希望を、理由を見出せる。

 そして、見出した希望はある一つの思い付きに変わった。

前回の探索で感じた、ある一瞬の違和感。その時は気にもしなかったあの違和感を鮮明に思い出す。


「そっか…あそこ…」


一瞬。またいだ瞬間に何か不思議な感覚に襲われた。こんな状況じゃなければきっと思いつきもしなかったのだろう。建物の中に入った瞬間の躓いたような感覚。一瞬だけの違和感だったが全員が感じていた。建物自体が異界だったのなら。あれ自体が皆を飲み込む化け物の胃の中だったのなら。

二人の脚はその場所へと迷いなくまっすぐに。


「ここだけ情報と違ったんだよ…。楽しんで歩いてたから、全然違和感なかったけどさ…。こんなサブカルに染まった街の真ん中にある、電気や無線と名前の付いた店が占めるビル何て…ちょっと違和感があった…。あんまりそっちを目的に来てないからちょっと探索して出ちゃったし…」


結衣が悔しそうな表情を浮かべている。


「ここだけ亡霊のような場所ってこと…。だよね…」


新しい街並みの中に静かに佇む。ただ一棟。古臭いビル。目の前に佇んでいたのだ。


「いま…助けるからね…ありす…!」


二人は古臭いビルの中へ一歩を踏み出す。一瞬の時間が飛んだような感覚。体の動きが強制的に止められたようなあの感覚。


「う…改めて感じると気持ち悪いねぇ…この感覚。」


目の前には、正直言って古臭い景色が並ぶ。「〇〇無線」や「〇〇電気」と書いてある店が多い。一店舗一店舗ちらちらと回ってみるが、この2024年の時代にどう考えてもそぐわないものが非常に多い。マイコンと書いた張り紙があちらこちらにある。

そんな張り紙のある店はどこも、基盤のようなものや、黒いなんなのかもはやよくわからないパーツが売ってある。


「なにこれ…?改めてみると意味わかんない…。まい…こん…?こんなの見たって何が何だかわからないよ…」


ほかにも配線がたくさん売っている店や無線という名前の如く、無線用だと思われる多くの機械が売られている店がある。


「無線って…今時誰が使うのさ?軍隊くらいじゃないの?」


アマチュア無線という免許があるくらいだからいささか趣味で使うこともあるようだが、それにしたってやはり時代にそぐわない。


「アマチュア無線なんてあるんだ…ほえ~初めて知ったかも。」


自分が知っているのはこのくらいだ。正直なんだこれな状態が数分続きあきらめ上の階へと向かう。入口から反対にある広告の多い壁がある階段を昇れば二階だ。

二階もやはり「〇〇無線」や「〇〇電気」という名前の店で埋まっていた。

だが、その中でも二人の目を引いた店は「第一家庭電器」。まったく知らない店ではあったのだが、ギリ用途がわかる商品が売っている。

バカでかいテレビで見るようなカメラが売っていると思えばまさかの家庭用ビデオカメラだった。


「はぁ!?これがご家庭用!?うっそぉ…え…まじなん...?」


だが何をどう見ようとマジなようだ。

困った。どうやら本当に意味の分からない時代に迷い込んだらしい。スマホも気が付いたら圏外になっている。


「どうしよ…」


読んでくださりありがとうございました!

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気に入っていただけてお時間があったらで構いませんので感想やブックマークもぜひお願いいたします!

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