影は静かに迫り来る
読みに来てくださりありがとうございます。短い駄文ですが楽しんでいってくれると嬉しいです!
二人は楽しそうな結衣に率いられ町を散策する。それにしても校長に渡されたこの地図いったいいつの物なのだろうか。七割くらいの店がなくなってしまっている。
相も変わらず町は眠ったように静かだ。と思っていたらこれまでと違い、やかましいところが多々ある。住宅街ではせいぜいクリーニング屋や居酒屋の掲示板程度だったがこのような街ともなると違うらしい。結構な大音量で音楽や広告が流れている。
きっとこの街は、町全体が目覚める途中で人が消え去ったのだろう。かなりの店はシャッターを開け開店準備を終えていたようだ。というか正直、人の話し声も、車の走る音も一切ない地ではうるさすぎる。
そんな場所の道路は都心とあってかなり広く、三車線道路が対岸とを仕切るように敷かれ、信号はいまだに稼働している。走る車はいないのでまぁ無駄ではあるのだが、三人はノリでしっかり信号を守る。
対岸にはPCパーツの市場のようなものがあると書かれているが…ない。半分くらいはサブカル系の店に侵食されているようだ。本当にこれはいったいいつの地図なのだろうか?首をかしげて歩くしかない二人をよそに目をきらっきらに輝かせる結衣はずんずん進んでいく。いろいろな店に調査という名目で入っては物珍しいものを見て回るという行動を続けていれば三人とも楽しくなってくる。
地図を読み解くのはあきらめ三人でふらふらといろいろ見て回る。だが犯罪をするなという最初の忠告は守り、レジ側に入ったりなどはせず客として楽しむ。そんな風に3人で見て歩き回れば時間は颯爽と過ぎていく。
時計にちらと目をやればなんと2時間半ほどたってしまっている。昔の人は時間が過ぎるのは矢のようだと評したが…。三人はそれを肌で感じることになった。
「あれぇ?すっごい経ってるぅ」
「かなり経ちましたけど何にもないですね。いつもなら撤退しているころですよ?」
「ほんとだねぇ。なんでだろ。まぁ楽しいからいっか!!」
「…そうですね!何にもないよりほかにいいことはありません!」
そうだ。別に何もないなら何も無いと報告すればいい。
3人はそのまま時間がたつのも忘れて散策を続ける。気づけば探索開始から5時間は余裕で経過していた。
「ふぅ~!たのしかったぁ!満足ぅ!」
「よ…よかったですね…」
ありすと同じく少年もそこそこお疲れ気味だ。さすがに5時間ぶっ続けで歩いたらいくら何でも疲れる。というか疲れを感じていない結衣がおかしいのかもしれない。あれだけいつもふわふわぐだぐだしているのに、足の速さといい今回の件といい一番運動能力が高いのは結衣ではなかろうか。
「帰りましょう…何よりおなかがすきました…」
「あ、確かに。私もすいたかも?かえろ~!」
帰校もいつもの流れ。慣れてしまえばなんてことはない。三人で教室に戻って、テーブルかけをひろげ、昼食を兼ねた夕食を摂れば足の心地よい疲労と相まって眠気に襲われる。だが、快適な温度に保たれているとはいえ風呂に入らず寝るのは気持ち悪い。
何とか体に鞭打ち、シャワーだけは済ませて布団にもぐれば眠気に抗えるはずもない。どちらにせよ、ここで眠りに落ちようと何とか体を起こしていようとぱっと異界が消え去るわけでもない。
どうせ目を覚ませばいつもと変わらない、何も変わらない一日が幕を開けるだけだ。そう自分に言い訳をして早めに眠る。
夢を見た。不思議な夢だ。迷路に迷い込んで脱出できなくなる。そんな夢だ。本も、金色の箱も握っていた。何か大量の幼虫に襲われる悪夢だったような気がする。刀を振り回して逃げ回り、突然出てきた大きなサイズの幼虫に押しつぶされそうになったところで目が覚めた。
とんだ悪夢だった。そう。悪夢だったはずだ。右手の刀がそうではないと語りかけてくるが頭を振り、再度かざして箱に戻す。きっと悪夢のせいで体が勝手に動いたのだ。金縛りとかそういうたぐいの現象だ。現に二人はよく眠っている。きっと…ただの悪夢だ。
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