新たなる旅路
読みに来てくださりありがとうございます。短い駄文ですが楽しんでいってくれると嬉しいです!
何も変わらない世界でも、ルーティンというものは存在する。何も変わらないのが異常であるのは皮肉な話であるが。
起きて、顔を洗い、髭を剃り、結衣を揺らして起こせば準備完了だ。テーブルかけで健康的な朝食をとり、校長室に向かう。
「「「失礼します」」」
ノックをしていつものように部屋に入る。いくつかの異界を征伐しようとも、校長室はさして変わることはない。しいて言えば校長の雰囲気が些か和らいだだろうか?
「お、大体時間通りですね。待っていました。おかけになってください。」
三人で椅子に腰かけると、対面に校長が座る。
「今回皆さんに調査していただきたいところはこちらです。」
校長が持ってきた地図は、日本人ならそこそこ名前を聞いたことのある場所の地図であった。いつもは日本人と同じくらいの外国人が合わさってにぎわうその地は、おそらく今はやはり誰一人としていないのだろう。
「今回は今までと違ってなにかはあるだろうという推論のもとに調査をお願いしています。多分なにかはいるのでどうぞお気を付けて。」
そう言って校長はありすに箱を渡す。
「「「失礼しました」」」
話を聞き終え退出すれば、結衣は目を輝かせて準備を始める。
「いやぁ…あそこに新幹線代も使わずいけることになるとは…!」
「どうしたんですか結衣さん?今回は随分とうきうきですね?」
いつもなら「めんどくさいなぁ~」なんて言いながら準備をしているところだ。結衣がこんなに楽しそうに準備をしているのは初めて見る。
「え、だってあれだよ!?日本のサブカル好きは行って損はないでおなじみだよ!?」
「そういえば結衣さんはこの前の蜘蛛のところでも目を輝かせて探索していましたね」
「今回はあれなんかとは規模が全然違うから!ふんふ~ん」
もはや結衣の中では調査というより、行きたかった場所を探索したいという気持ちしかないようだ。慣れているからなのかそれとも単純に危機感がないのか、やっぱり結衣の感覚は何かずれているような気持がしてならない。
皆の準備が完了すれば。校門に集まり調査に向かう。場所を唱え、一歩を踏み出せば目の前は光に包まれ、次に目を開ければ知らない光景が広がっている。やはりなれない感覚ではあるが直近数日で似たようなことをやりすぎて新鮮さというものはもはやない。
人間の適応力というものには心底驚かされる。
少年たちが着地したのはどうやらその町の中心を為している駅前のようだった。
どうやらこっちがメインの出口だったらしい。中央改札口と書いてある。近くにはエスカレーターやエレベーター。多くの店や通路が位置し、もし人の流れがあったのならば、人ごみに巻き込まれてまったく意味が分からなかっただろう。静かすぎる今は、それはそれで意味が分からないのだが。
「え~っとね。確かこっちだよ!!」
少年やありすより、もっと遠くに住んでいるはずの結衣は駆け出す。
「わたしね!ここにずーっときたくて何度も調べてたの!」
駅の隣を走る長い通路のようなものを猛スピードで駆け抜ける結衣をどうにかして追い、出てみれば駅の反対側に出る。表示は電気街改札と書いてある。何とかあたりを把握しようと校長からもらった地図をトルネードさせて現在位置の把握に努める二人をよそに結衣はあたりを見渡し感嘆の息を漏らす。
「いやぁ…何百回と行きたいと夢見たこの地を…本当に見れるとは…」
「なんだか結衣さんがこのまま感激の涙を流してもおかしくないくらい感動していますよ?」
なんというかこれは…素晴らしい芸術品に心を打たれた人間の其れみたいになっている。
「ゆいさ~ん?仕事しますよ~?」
「あ、え?仕事………あ、調査か。」
思考に五秒くらいを要している。いったい何をしに来たのかと二人が苦笑を漏らすと結衣からの猛反撃が飛んでくる。
「二人はわからないかもしれんけど、新幹線使っても3時間ちょっとかかる地な上に電車賃もそんなに安くないわ、ホテルも最近は高いわ、されど一日で帰るにはもったいないわでそんなに簡単じゃないんだからね!?」
「わあぁ…なんか並々ならぬ思いがあるんですね…」
少年もいささか反省をする。首都まで最悪徒歩でも3時間程度でついてしまう場所に住んでいる自分と今まで行ったこともなかった県に住む結衣とでは移動の手間が段違いだ。
「うん。わかってくれたなら良き!いこ!いろんなところ回ってれば自然と見つかるよ!」
三人合わせて未知の地に踏み出す。
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