表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
怪奇の夜明け  作者: 望月響
旅の始まりはいつも家の前から。
24/51

一筋の光は異界にて煌めく

読みに来てくださりありがとうございます。短い駄文ですが楽しんでいってくれると嬉しいです!

 少年は金の箱を本にかざす。さすれば、箱は転じて小ぶりの脇差へと形を変えた。

 そのまま“何か”に浅く切りかかり注意を引き付ける。その隙を用いて…


 『「北風さん、テーブルかけは返すから、粉を返してよ」

「では、つえをやろう。『つえよ、つえ、悪い奴をぶんなぐれ』と言えば、その通りになるぞ」』

結衣が唱えれば、テーブルかけの代わりに杖を握る。

「えっと…えっと…あ!これです!」


 焦ってリュックを漁っていたありすも本に箱をかざす。こちらは大ぶりのサバイバルナイフが現れた。


 「これで私も戦えます!」


 そう、教室では『不思議の国のアリス』のトランプ軍団は多すぎる。『鏡の国のアリス』の撤退を視野に入れつつの戦闘支援が最適な戦術だ。

 少年が切りかかり、結衣が杖でヘイトを取る。一瞬でも注意をそらせば少年の斬撃に当たる相手にとっては最悪の陣形だ。ありすもしっかりと二人の攻撃の合間合間を繋ぐ様に攻撃をする。ダメージこそ少ないもののありすなしで戦線の維持はできない。

 だが、“何か”も黙って受けているわけのはずもなかった。一瞬の隙を突き、精神を削る呪詛を咆哮の如く放つ。


 「っ…きゃぁ!!」

 「ありす!?」


 一瞬。結衣が気を取られた瞬間を狙い、“何か”は口を開き…

 長い長い舌を結衣に向け、突き刺した。


 「うひゃぁ!?いった…くない…?」


 結衣の脇腹に直撃したそれは結衣に何の痛痒も与えていないようだ。だが、“何か”が舌を引き抜いたそこには、不気味な深い穴が開いていた。


 「ひぅ!なにこれ…!気持ち悪い…」


 結衣が身じろぎしようと、払おうともその穴は動くことはない。出血どころか痛みもないようではあるのが幸いではあるか。

 頼みの綱の回復役である少年はいまだ戦闘中であり、結衣の援護も中断されているせいで先ほどより、苦戦をしている。ありすも抜けた結衣の枠を変わっているため撤退も難しい。


 「きゃぁ!!」


 大きな爪での斬撃はありすの腕を切り裂く。少年ももはや一瞬もほかに向ける気力はなくなっていた。

腕を切り裂かれたありすは戦闘から一瞬、離脱した。だが、ありすはもう一度動く。逃げ道がないのなら最後まで戦うだけなのだ。制服を切り裂かれ血の滴る腕を抑えながら混乱気味の結衣に肩を掴ませる。そして握りしめた本を開き…


 「『鏡の世界についてみんな、教えてあげましょう。この世界と同じだけど皆あべこべ…さぁ。通るのなんて簡単でしょう?』」


 ありすの詠唱を聞いた少年は“何か”の大ぶりの攻撃を脇差をうまく受け流し体勢を崩させる。そしてその一瞬を突きありすの体に触れる。さすれば3人は鏡の世界に引きずり込まれていく。だが、“何か”はすぐに追ってくるだろう。

 ちょっと自分の体に穴の開いて混乱気味の結衣をありすがひっぱたき、少年はありすに触れつつ本を開く。


 『「人は病で死ぬわけではない。寿命で死ぬんだ。君の死神はまだ足元にいる。だからまだ死ねないよ」そう死神は言った』


 少年が詠唱を終えれば本は光り効果を発する。傷口は光に包まれ血は止まり、傷口はふさがった。


 「あ、ありがとうございます。助かりました。」

 「いやぁ…こっちこそだよね。ありすのおかげで助かった…」


 結衣の言葉に少年は何度もうなずく。ありすがいなければ死んでいたかもしれない。結衣の傷をふさごうと詠唱をしようとしたところで、あの水滴の音が響く。


 「あ~ちょ~っとむりっぽい。ありがとね。気持ちだけもらっとく。」


 ラウンド2だ。皆の動きはただの高校生といえど、その範疇にとどまるものではない。大量の半魚人に1mほどの蜘蛛、人間を超えるサイズの巨大な蜘蛛や、あまりに大きな怪物などなど、あまりに多くの超常的生物と戦ってきた彼らは、以心伝心ともいうべき連携を持って“何か”を圧倒して行く。

 そして決着の時は訪れる。結衣の魔法の杖が化け物の脚を払った。一瞬体勢が崩れた瞬間を狙いありすはすかさずナイフを突き立て動きを封じる。そして…


 閃。

 

 刀の煌めきは、一瞬の光の筋と共に空気を断つ。

 その瞬間。“何か”は2つに絶たれた

2つになり倒れゆく“何か”の断面からは出現する時のあの煙を大量に噴き出す。あたりは一瞬にして視界を奪われた。


 「ちょちょちょ!?え、これ大丈夫だよね!?」

 「知りませんよ!!多分大丈夫なんじゃないですか!?」

 「うそぉ!?心配すぎるんですけどぉ!?」


 大慌ての二人と同様に、少年も叫びこそしないが些かあわあわしている。これで足元が無くなりでもしたら死の危険を回避したのにも関わらず、全く別の原因で死ぬとかお笑いだ。

 しばらくみんなで焦っていると、視界はゆっくりと晴れてくる。

読んでくださりありがとうございました!

よければ忘れないうちに評価をお願いいたします…

してくださるとめっちゃ喜びます。

気に入っていただけてお時間があったらで構いませんので感想やブックマークもぜひお願いいたします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ