第四十六話:四条シオンのシオン
なろうに初投稿しますよろしくお願いします!
――話し合いの結果、風呂については何組かが順番で入ることになった。
一組目は平さんと蘆屋だ(※キレて部屋に引っ込んだ蘆屋だが、何時間もバイクで突っ走った後の砂埃まみれな姿で寝たら宿が汚れるだろうがということで引っ張り出された)。
蘆屋は平さんのことをめっちゃ嫌ってる様子だったが、平さんが「京都についたらイイ店教えてやろうかい?」と言ったら、ガチゴチに固まって大人しくなった。
イイ店ってなんだろ? おいしいたべものやさんかな?
で、二組目は立花神と高橋さんだ。
混浴と聞いた時には緊張してた立花神だが、舎弟の高橋さんと一緒ということになると「ならええわ~安心や~」とホッとしていた。逆に高橋さんは泣きそうになってたが、なんでだろうか。
んで、三組目は長谷川さん一人だ。
三十六歳妻子持ちおじさんなのに十二歳以下の美少女にしか見えないため、俺以外の全員から「長谷川さんとはちょっと……」ということになった。
なおそんな反応に本人は驚愕し、「もっ、もしかしておじさん、臭かったかなぁ!?」と全身をクンクンを嗅いでいた。
いやむしろイチゴみたいな匂いなんだが。
んでんでんで、最後に四組目はというと――、
「――ぉ、お邪魔します~……!」
「ああ」
夜空に湯気昇る露天風呂にて。
洗い場で身体の汚れを落としていると、相方が遅れて入ってきた。
真緒である。
「ごめんね、僕とお風呂なんて変だよね~……!」
タオルで前を隠しながら、申し訳なさそうに近づいてくる真緒。
歩くたび、小柄ながらも豊かな肢体がタオルの端からまろび出る。
「長谷川さんみたいに、僕一人で入ればよかったよね。あ、もちろんシオンのあとで……!」
「何を言ってるんだ。それじゃあ寝るのが遅くなるだろう」
元々、宿についたのが零時近くだったからな。あまり小分けにしたら睡眠時間に響く。
「俺的には、平さんや蘆屋や立花神には、なんとなく九尾の身体を見せたくなかったからな。その点、真緒ならいいと思っていたし」
ちなみに長谷川さんや高橋さんもいいっちゃいいんだが、長谷川さんは“ちっちゃい子とはいえ、妻以外の女の子の裸を見るのはー……”と拒否。
んで高橋さんは“アンタとなんて入りたくないッスよ!”と俺のほうを全力拒否してきた。ちょっとへこむ。
『我はメス扱いかーッ!? 雄だぞ! 雄ギツネだぞーッ!』
そう叫んだのは、泡まみれで俺の膝の上に鎮座している九尾だ。
いつも俺が洗ってやってるんだよな。『八咫烏』は男女に分かれて大風呂に入る形式だが、九尾はヒトの頭の半分程度の身長しかないため、何かと不便があって一人で女湯に入れてやる事は出来ない。
そして男湯に連れ込もうにも、他の男共に九尾は見られるのは嫌だ。
というわけで、毎朝湧きたての新しいお湯を桶で掬って、部屋で洗うようにしてやってるのだ。
『くそー、こんなチビ童女の身体にしおってー……! しかもこの身体、汗とか出るしぃ……!』
「まぁまぁ九尾、とりあえず腕を上げろ。今日は入念に洗ってやるからな」
『いやだー!』
短い手足を暴れさせる九尾。膝から落ちたら危ないので、白い裸体を少し強めに握ったら『ひゃう!?』と言って大人しくなった。
こんなふうに本人は毎回“自分で洗えるわボケーッ!”と超全力拒否してくるが、どうせ照れ隠しなので無理やり敢行だってばよ。肌が傷付かないよう手洗いでな。愛だね。
「真緒も九尾洗うか? 特権だぞ」
「いや、涙目になってるし遠慮しておくよ。それにしても……あはは、そっか。平さんとかの男性陣はダメでも、僕なら九尾を見ても触ってもオッケーか。ぼ、僕も男なのにな~……傷付いちゃうな~……!」
と言いつつ、へにょへにょとした表情をする真緒。小さな声で「傷付くべきなのに―……!」と呟きながら、俺の隣に腰掛けてきた。
風呂椅子の上に白いお尻が乗ってはみ出る。
「尻……」
「ふぁっ!? え、お尻みつめてどうしたの!?」
「いや、昼頃に『騰虵』の件で尻を痛めてたが、大丈夫かと」
そう答えると、なぜか真緒は「あぁそれね……」と少しガッカリした様子だった。
うーん俺の親友はよくわからないところがあるなぁ。好きだけど。
「忘れてるかもだけど、僕は妖魔『フランケン』の実験体だからね。怪我の治りは凄く早いんだよ」
タオルを前に当てたまま、真緒は自身の身体を見下ろした。
「お風呂に入るたび、複雑な気持ちになるんだよねー……。やっぱりコレは妹の身体なわけだし。あと、周囲の目もあるしさ」
「ああ、そういえば真緒は普段、女湯に入ってるんだったな」
日ごろから苦労が多そうだ。以前までは立花神一派から嫌味も言われていたようだし。
「最近はなぜか特にだけど……胸とかがどんどん育っててさ。同じ男の人たちからも、変な目で見られることがあるんだよね。だからシオン。人の見てくれなんて全然気にしないキミが『八咫烏』に来てくれて、ホントにすごくよかったと思ってるよ」
「そうか」
口元をほころばせる真緒に、俺もよかったと笑みを返した。
特別なことをしてやった覚えはないが、俺の存在で救われてくれたのか。それはこっちも嬉しい限りだ。
「よし、決めたぞ親友」
俺は泡々の九尾を抱くと、真緒の太ももの上にそっと置いた。
そして、
「俺も真緒には親切にしてもらってるからな。お礼に身体を洗ってやろう」
「って、えぇえええええええーーーーーっ!?」
おーおー、真緒ってばすごい叫んでるな。“そんなコトしてくれるなんてシオン優しすぎるよー!?”って驚いてるんだな。ふははのは。
「いっ、いいよっ、自分で洗うからァッ!?」
「照れ隠しするな」
「照れ隠しじゃないから!?」
わかってるわかってる。
俺は謙虚な親友の手を強く掴み、タオルを奪い取ってやった。それ当てたままじゃ洗えないからな。
「ふぁっ、ふぁああぁあ!?」
「おお、真緒の肌も九尾と同じくらい白くてなめらかだな。こりゃ手洗いがよさそうだ」
「手洗いッッッ!?」
そうと決めたら話は早い。
俺はまず背中から洗ってやろうと思い、風呂椅子から立ち上がった。
すると、これまでギャーギャー騒いでいた真緒が、目の前に来た俺の下半身を見てビクッッッと震えて固まった。
「なッ……はっ、太ッ……長ッ……えッ……!? な、なにそれ……ヤバッ……えッ……人外……!?」
「人間だが?」
唐突な人外扱いに傷付いたが、まぁ風呂で会う人間すべてにそう言われてるので慣れたものだ。
「やばー……え、やばー……!」
俺の股座の前で手をすいすいと上げ下げし、次に自分の胸下あたりに手を当てて「ココまできちゃうぅぅうう……!?」と顔を赤くする真緒さん。
何やってんだと聞いたら、「って本当に何やってるんだ僕!?」と本人も驚いていた。大丈夫か?
「どうやら相当疲れているようだな。じゃあ気合いを入れて洗ってやるからな、手洗いで」
「いやだから手洗いはッ、ふぁーーーーーーーーーッ!?」
というわけで、この後めちゃくちゃ手洗いしたのだった。
・真緒の残りオス度『1/100』!(ギリギリ耐えたけどもう最大値には二度と戻らないぞ!)
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