目が覚めました
「おはようございます」
とりあえず挨拶を大切におはようございますを言ってみた
さっきの出来事は全て夢だった
なんて都合の良い事を考えてみたけど
「「「おはようございます」」」
2回目の挨拶はたくさんの人が返事をくれた
1回目の挨拶は誰にも返してもらえず少し寂しかったが、これだけの人に挨拶されるのは逆に怖い
とりあえず上半身をベッドから離し辺りを見回すとメイド服を着た女性が増えていたり、新入りのスーツを着た男性が居たり、極めつけは私の胸元でわんわん泣く先程の男性が居たりする
私の服はその人の涙でぐちゃぐちゃになっていた
多分この泣いてる人がここでは一番偉いのかな?他の人と比べて服装が違う
綺麗な身嗜みと装飾が施されていた
私はとりあえずその人に何かを言わなければならない
「えっと、初めましてですか?」
とりあえず何か言おうと男の人に話してみたが、逆効果だったみたいだ
「初めまして!?
アイラ…やはり記憶を無くしてしまったのかい」
そしてもっと泣き出した
先程は綺麗な顔をしていたのに泣きすぎてこっちを向いた顔がパンパンになっていた
私は苦笑いしかできない
周りの人に助けてもらおうと辺りを見回すと、新入りの男性が私に声を掛けてくれた
「私はビリーと申します。そこで泣いておられる方、ライル・マルクル様はこの家の主人であり貴方様アイラ・マルクル様のお父様でおられます」
と言われこの男性が泣いてる意味が分かった
娘に忘れられていて悲しいという奴だ
「えっと…お父様?」
とりあえず服が気持ち悪くなってきたため離れてもらおうと声をかけてみる
しかしそれも逆効果だったみたいだ
「お父様なんて!パパと呼んでおくれ」
なんて事を言い出した
何故かパパ呼びは恥ずかしかったが仕方ない
早く離れてもらうため恥ずかしさを抑える
「パパ、アイラはパパの顔をよく見たいです」
するとパパは私から離れジッと私の顔を見つめる
そんなに見つめられるのも恥ずかしかったが
「パパ、おはようございます」
と笑顔で言った
記憶はないが私が目覚め、これ程泣いてくれる人など少ないだろう
嬉しさが込み上げ自然に笑うことができた
そんな私を見て
「ああ、おはようアイラ」
パパもパンパンな顔で返事をしてくれる
パンパンな顔でもイケメンは変わらずイケメンなんだなとそんな呑気な事を考えた
連続投稿
あと3話ぐらいします